「嗅覚の良い恐竜はどれ?」
「恐竜の嗅覚はどのぐらいすごいの?」
「恐竜の嗅覚ってどうやって調べるの?」
など、恐竜の嗅覚について知らないことも多いのではないでしょうか。
恐竜の嗅覚についてはまだわからないことも多いですが、新しい研究も進んでいます。
今、改めて恐竜の嗅覚が注目されているんですよ。
この記事では恐竜の嗅覚について、下記を中心にご紹介します。
- 嗅覚の良い恐竜ランキング6選
- 恐竜の嗅覚の推測方法
- 恐竜における嗅覚の役割
目次
嗅覚の良い恐竜ランキング6選
この記事では、嗅覚の良い恐竜として以下をご紹介します。
1位 ティラノサウルスレックス
2位 ヴェロキラプトル
3位 アロサウルス
4位 デイノニクス
5位 ユタラプトル
6位 エウオプロケファルス
さっそくみていきましょう。
1位 ティラノサウルスレックス(Tレックス)
恐竜の中で最も嗅覚が優れているといわれるのが、ティラノサウルスレックス(Tレックス)です。
恐竜一最強といわれており、最も有名な恐竜といっても過言ではありませんよね。
ティラノサウルスレックスの基本データ
- 全長:12~13m
- 体重:4~7トン
- 生息期間:白亜紀後期
ティラノサウルスレックスは最大で最強の超肉食恐竜として有名です。
そういわれる理由の1つには、大きく鋭い歯と頑丈な顎、大きな体など体格による強さが挙げられます。
しかしそれだけでなく、ティラノサウルスは非常に脳も発達していたことが分かっています。
ティラノサウルスレックスは知能はもちろん、嗅覚をはじめとするさまざまな感覚機能も優れていました。
ティラノサウルスレックスは、最強の恐竜といわれながら、実は足はあまり早くなかったといわれています。
それを補うのが、優れた体格と嗅覚やその他の感覚、知能であったのです。
2位 ヴェロキラプトル
ヴェロキラプトルは、映画ジュラシック・パークに登場したことでよく知られるようになりました。
あまり知られていませんが、脳が発達していることで注目されている恐竜です。
ヴェロキラプトルの基本データ
- 全長:2m
- 体重:15kg
- 生息期間:白亜紀前期
ヴェロキラプトルは小型の肉食恐竜です。
体は小さいですが体に対する脳の割合が大きく、最も知能の高い恐竜の一種であるといわれています。
また知能だけでなく、嗅覚をはじめとする感覚も優れていました。
かぎづめのような鋭い手足とワニのように長い口、鋭い牙が特徴的な恐竜です。
3位 アロサウルス
アロサウルスは、ジュラ紀の肉食恐竜の中で最強の恐竜といわれています。
大型恐竜に分類されますが、体長の割に体が軽いことが特徴的です。
アロサウルスの基本データ
- 全長:8~12m
- 体重:1~3トン
- 生息期間:ジュラ紀中期~後期
アロサウルスは大型恐竜らしいパワーと小柄な体格を生かした素早さを兼ねそろえた恐竜です。
しかもそれに加えて脳も発達しており、知能や嗅覚をはじめする感覚が優れていました。
それが、アロサウルスがジュラ紀で最強の恐竜といわれる理由です。
アロサウルスは優れた知能によって、仲間と協力して待ち伏せによる奇襲や逃げ場のない場所に獲物を追い込む戦略的な狩りをしていたとも考えられているんですよ。
4位 デイノニクス
デイノニクスは長くしなやかな尾でバランスをとりながら二足歩行していた恐竜です。
鋭い爪が特徴的です。
デイノニクスの基本データ
- 全長:3~3.5m
- 体重:60~100kg
- 生息期間:白亜紀後期
デイノニクスの名前の由来は「恐ろしい爪」であるほど、爪が特徴的な恐竜です。
その名の通り四肢の爪が鋭く、後ろ足は13㎝ほどの大きなかぎ状の爪がありました。
またデイノニクスは脳が大きく、知能が発達していたことが分かっています。
高い知能や嗅覚をはじめとする優れた感覚と素早い動きによって獲物を仕留めていました。
一説には仲間と連携して狩りをしていたともいわれています。
4位 ユタラプトル
ユタラプトルは素早さと高い知能を兼ねそろえた、優れたハンターであったといわれる恐竜です。
ユタラプトルの基本データ
- 全長:6.5m
- 体重:1トン
- 生息期間:ジュラ紀後期
ユタラプトルは知能が高いだけでなく、視覚や嗅覚などの感覚も優れていたことが分かっています。
足も速く、同時期に活躍した恐竜の中でも能力の高い恐竜だったといわれています。
ユタラプトルの体の特徴は、長い三本の指についている大きなカギ爪と獲物に噛みつく鋭い牙です。
また速く走るためには、長く頑丈な尾が役立っていました。
集団で狩りを行い、自分よりも体の大きな獲物を捕らえていたと考えられています。
6位 エウオプロケファルス
エウオプロケファルスは、本ランキングで唯一の植物食恐竜です。
植物食恐竜にも嗅覚が役立てられていました。
エウオプロケファルスの基本データ
- 全長:6m
- 体重:2.5トン
- 生息期間:白亜紀後期
エウオプロケファルスは、体の外側が硬い装甲で覆われているのが特長です。
装甲の上には無数の各状の突起と尾の先端についたフリスビー型の鎚鉾(つちほこ)がついているのが特長です。
尾を水平方向に力強く動かすことで、応戦していたと考えられています。
エウオプロケファルスはの嗅覚は、えさとなる植物を見つけたり、天敵である肉食恐竜を見つけるのに役立てられていたと考えられています。
恐竜の嗅覚はどのように調べるの?
恐竜の嗅覚は何をもって、どのように推測しているのでしょうか。
恐竜の嗅覚は大脳の嗅球の大きさによって推定されているんです。
嗅球の大きさの推測方法は、主に2つあります。
- 頭骨の大きさや形
- 嗅覚受容体の数
それぞれを説明する前に、まずは匂いを感じる仕組みをみていきましょう。
人間をモデルに簡単にご紹介します。
匂いの分子はまず鼻の中にある嗅粘膜の粘液に溶け込みます。
そして嗅毛を通って嗅細胞が興奮し、発生した電気信号が嗅神経を通って脳内にある嗅球に投射されます。
嗅球から脳のさまざまな部分に伝達されることで、「~の匂いだ!」と感じることができるのです。
さまざまな研究から、嗅球の大きさは嗅覚の強さと比例すると考えられています。
恐竜についても同様のことがいえます。
[st-kaiwa-280]匂いを感知する部分が大きいほど、嗅覚も良いってことですね![/st-kaiwa-280]
それでは、恐竜の嗅球の大きさを推測する2つの方法をみていきましょう。
頭骨の大きさや形による推測
恐竜の脳実質自体は残されていません。
ですが、恐竜の頭骨から脳の大きさや形を推測することができます。
さらに頭骨のくぼみなど細かい形状によって、嗅球のおおよその大きさも分かるのです。
嗅覚の強さは、体の大きさに対する嗅球の割合で判断します。
体のわりに嗅球が大きい恐竜は嗅覚が優れているといえるのです。
嗅覚受容体による推測
もう一つが嗅覚受容体に関する推測方法です。
嗅覚の仕組みについてもう少し詳しくご説明します。
匂い分子が初めに到達するのが球粘膜ですが、球粘膜には嗅毛(嗅絨毛)という毛の膜があります。
嗅絨毛には嗅覚受容体といわれる嗅覚レセプターがあり、そこに匂い分子が吸着することによって嗅細胞が興奮する仕組みになっているのです。
この嗅覚受容体の多さと嗅球の大きさが比例するといわれています。
[st-kaiwa-280]匂いを感知できる場所が多いってことですね。[/st-kaiwa-280]
これをもとにした2019年の研究では、ティラノサウルスの仲間は嗅覚受容体の数が多いことが分かりました。
これまでの研究結果と同様に、ティラノサウルスの仲間は恐竜界でもかなり優れた嗅覚の持ち主であったと結論付けられています。
恐竜における嗅覚の役割とは?
恐竜の嗅覚はどのように活用されていたのでしょうか。
恐竜において、嗅覚が最も活用される場面は食事(捕食)です。
肉食恐竜の嗅覚は、獲物を捕らえる大きな武器になります。
ティラノサウルスは嗅覚によって10㎞先にいる獲物を見つけることができたといわれています。
遠くから獲物を見つけることができれば、有利に戦いを進めることができますよね。
特に足がそれほど速くない種類の恐竜にとっては、嗅覚は非常に大切な役割を果たしたでしょう。
また死骸を捕食する場合にも、嗅覚は大変役に立ちます。
一方植物食恐竜ではどうでしょうか。
引用:Masato Hattori Dinasaurs CG
植物食恐竜にとって、嗅覚がエサとなる植物を探すことに活用されるのはイメージできると思います。
その他には敵である肉食恐竜を匂いで感知し、身を守ることにも役立てられていました。
敵に姿を確認される前に気付くことができれば、命を守る行動ができますよね。
このように恐竜の嗅覚は食事や捕食者の感知に役立てられていたといわれています。
その他の役割については解明されていないことも多いのですが、仲間の識別、縄張りの主張、異性への誘惑など他の動物と同じような役割もあったかもしれません。
いずれにしても嗅覚は、生きる上で大変重要な役割を果たしていたといえるでしょう。
まとめ
嗅覚の良い恐竜ランキングは、以下の通りです。
1位 ティラノサウルスレックス
2位 ヴェロキラプトル
3位 アロサウルス
4位 デイノニクス
5位 ユタラプトル
6位 エウオプロケファルス
嗅覚が発達している恐竜は、大脳自体が発達し知能が高い恐竜が多い傾向があることも分かりました。
知能の高い恐竜は嗅覚だけでなく、視覚や聴覚などさまざまな感覚情報をもとに戦略的に狩りを行ったり、群れを成して暮らしていたといわれています。
嗅覚は、恐竜が暮らしていくうえで非常に大切な感覚情報であったといえるでしょう。