恐竜界で最も頭脳明晰だったのではないかと注目されているトロオドン。博物館でもたびたび企画展で紹介され、子どもから大人まで、多くの恐竜ファンに親しまれています。
しかし、まだまだ謎が多い恐竜なため、トロオドンについて知らないことが多すぎると思っている方も、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
・なぜ知能が高いのか?
・どのような恐竜なのか?
・大きさや名前の由来の特徴は?
など、トロオドンに関する疑問について解説していきます。
目次
トロオドンは知能が高くて賢い?理由も解説
ではさっそく、トロオドンが知能が高いのかについて、確認していきましょう。
結論を言えば、トロオドンは、中生代で最も賢かった恐竜と言われています。
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脳化指数、トロオドンは6くらい。同じ基準で比べると哺乳類でも頭がいい方。いるかくらい。鳥はそれほど脳化指数高くないけれど大脳が発達しているのでかなり賢い。
脳化指数だけでは賢さははかれません。個人的にはトロオドンはねこっぽいと思う。夜目が利いて素早いとか。
— 衣谷佑 モデルナ3回接種済み (@Y_Koromotani) November 3, 2019
トロオドンの賢さはイルカとほぼ同じと言われています。
たしかに、トロオドンが知的に活動してという記録は一切残っていないのに、どうして頭が良いと分かるのか不思議ですよね。
結論を言えば、トロオドンが賢いと言われているのは、脳の重さです。
トロオドンは他の恐竜に比べて、体重に対する脳の割合がとても重かったのです。
実際、古生物学者のデイル・ラッセルは、恐竜が絶滅していない世界を想定したとき、この脳容量があるならば、トロオドンが知的生物に進化していた可能性があると提唱しました。
さらにラッセルは、トロオドン(当時はステノニコサウルス)をモデルとし、ディノサウロイドを発表したのです。
この発表は非常に注目を集め、群馬県の群馬県立自然史博物館では、企画展にてディノサウロイドが展示されたこともありました。
ディノサウロイド(恐竜人間)
トロオドンはティラノサウルス🦖やトリケラトプスよりも知性があったようです。
これは群馬県立自然史博物館に展示されていたものだそうですが、幼いころに訪れていたそうですが、展示されていたことは覚えてません。ですが、現代に生きていたら、ちょっと怖いです。😨 pic.twitter.com/rWvev7iYtm— 武蔵守 (@Musashinkami) July 20, 2019
また、トロオドンはその知能の高さについて、テレビ番組で取り上げられることもありました。
恐竜が釣り⁉️賢いなぁ…🎣
知性派の恐竜「トロオドン」登場!#恐竜超世界 pic.twitter.com/Q5xjNTXi4s
— NHKスペシャル公式 (@nhk_n_sp) July 7, 2019
他ではジュラシックパークなどで有名になったこの恐竜も知能が高いと言われています。
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トロオドンはどんな恐竜なの?体の特徴・天敵についてチェック
トロオドンの知能について分かったところで、その他の特徴について確認していきましょう。
まずは、トロオドンの基本データです。
生息時代 | 中生代白亜紀後期(約8,000万~7,200万年前) |
生息場所 | 北アメリカ大陸 |
種類 | 羽毛恐竜 |
トロオドンは、中生代白亜紀に生息していた恐竜です。
羽毛が生えていたとされていますが、鳥類ではなく、間違いなく恐竜であったと言われています。
次に、体の特徴や化石の発掘場所についてです。
目 | 大きい・両目が前方を向いている |
歯 | 30本以上ある |
体つき | 細くしなやか |
化石発掘場所 | カナダのアルバータ州、
アメリカのアラスカ州・モンタナ州・ワイオミング州 ロシア、メキシコなど |
体つきの特徴である細身でしなやかな点から、トロオドンは足が速かったのではないかと想定されています。
ちなみに、トロオドンの天敵は、同じ北米の寒冷地域に生息していたと言われている、ナヌークサウルスだとされています。
(今夜のダーウィンクイズ!)
知性派恐竜トロオドンの天敵の名は?
①シロクマサウルス
②ナヌークサウルス
③モフモフサウルス正解は番組で!https://t.co/c2ix62s0Te#ダーウィンが来た #恐竜 pic.twitter.com/B8xjZ0o5Gt
— ダーウィンが来た! (@nhk_darwin) May 10, 2020
ナヌークサウルスは肉食恐竜で、ティラノサウルスと同じグループだと考えられています。
ティラノサウルスについても記事にしているので気になる方はどうぞ。ティラノサウルスも実は賢いと言われる恐竜の一種です。
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トロオドンの体の大きさはどれくらい?人間と比べてみた
もしかしたら人間のように進化したかもしれない、と言われているトロオドンですが、大きさも気になりますよね。
トロオドンは、全長1.5~2mほどできゃしゃな体格だったとされています。
また、体重は50kg程度だったと言われています。
人間と比べてみると、このような感じです。
そうなんです、この段落の最初で紹介した数字を見れば、だいたい想像ができたと思いますが、トロオドンは大きさに関しても人間とほぼ同じでした。
このことからも、人間のように進化していた可能性があると、推測することができるのです。
トロオドンの名前の由来は?
トロオドンという名前の由来も気になるところですよね。
この名前は、1856年、地質学者のフェルナンド・ハイデンが名づけました。
その名前の意味は、「傷を負わせる歯」です。
たしかにちょっと不思議に感じるかもしれませんが、トロオドンは、鋸歯(きょし)と呼ばれる肉食恐竜特有のノコギリ状に生えた鋭い歯が特徴的な恐竜です。
ですので、「傷を負わせる歯」というのは、間違ってはいないのです。
ただ、トロオドンはステノニコサウルスと同じ恐竜と言われていた時期があります。
#金曜日だから化石貼る
レプリカの塗装の光沢が強くてブロンズ像みたいなトロオド…ステノニコサウルス pic.twitter.com/Doaj2tktCp— Horihito.M (@CP_Clown) July 20, 2018
もしかしたら、今でも同じ恐竜だと勘違いしている人もいるかもしれませんが、現在はトロオドンとステノニコサウルスは別の恐竜となっていますので、ご注意ください。
その他の特徴
トロオドンの食性は、肉食であったとされていますが、中には草食説を唱える学者もいます。
その理由は次の3つです、
・鋸歯が大きすぎる
・草食恐竜と歯の形が類似している
・足の鉤爪がとても小さい
まず、肉食恐竜の特徴の鋸歯(きょし)が大きすぎる点です。これにより、歯は肉よりも植物を食するために使われていたのではないかと言われています。
次に、ステゴケラス(草食恐竜)の歯がトロオドンの歯の形と類似していたことです。一定期間、ステゴケラスとは同じ生物ではないかと言われていました。
最後に、トロオドンの足の鉤爪が非常に小さいことです。鉤爪は獲物を倒すため必要ですが、これが小さいため、肉食ではないとも言われています。
まとめ
今回は、トロオドンについて詳しく解説してきました。
まとめると、
・トロオドンはイルカと同じレベルの知能を持っていたとされている。
・肉食恐竜で、ナヌークサウルスが天敵である。
・華奢な体つきだが、大きな脳を収めるための大きな頭蓋骨を持つ。
・名前の由来は、鋸歯の特性である「傷を負わせる歯」である。
です。まだ確定した情報が少ない恐竜ですので、これからの研究発表にも期待しましょう。