ティラノサウルスやギガノトサウルスに並ぶ大型の肉食恐竜である、アクロカントサウルス。
しかし、まだまだ謎の多き恐竜であるため、知らないことが多いのも事実だと思います。
そこで今回は、そんなアクロカントサウルスの
◎アクロカントサウルスはどんな恐竜?
◎アクロカントサウルスの大きさ、重さ
◎アクロカントサウルスの食性は?
◎アクロカントサウルスの名前の由来
について解説していきます。
目次
アクロカントサウルスはどんな恐竜?
長く伸びた尾びれに短い前足が特徴のアクロカントサウルス。
まずはじめに基本情報をまとめると、次の通りです。
学名 | アクロカントサウルス・アトケンシス |
分類 | アロサウルス類(科は未だ不明) |
生息年代 | 白亜紀前期(約1億1.600万年~1億1.000万年前) |
生息地域 | 北アメリカ大陸 |
食性 | 肉食 |
体長 | 約11~12m |
体重 | 約5~6t |
体高 | 約3m |
実際、アクロカントサウルスはアロサウルスと似ている部分が多いです。
ジュラワでアロサウルス出てきたけど、もう少しがっちりしてても良かったと個人的には思う
でもそのままでもすこ pic.twitter.com/d8iCmAHWYg— カツサンド (@tokusatsusando) December 8, 2020
とはいえ、アロサウルスとは大きく違うところがあります。
それが背中にある大きな背びれです。
【アクロカントサウルス】
中生代白亜紀前期の北米に生息していた恐竜。
全長は12~13mと最大級の肉食恐竜で、背中には大きな背びれがあった。
足跡の化石から、3~4頭の群れで大形の獲物を狩りしていたことが分かった。 pic.twitter.com/bZb29HmgD6— 恐竜と古生物Bot (@Ilovekoseibutsu) October 24, 2015
背びれに関しては、未だはっきりとした理由は明らかになっていません。
しかし、次の3つの諸説あります。
・体温調節の役割
・異性へのアピールの役割
・全身の筋肉を支える役割
この中で現在最も有力とされているのは、体温調節機能です。
白亜紀前期には世界規模で地球温暖化が進み、体温を下げる方法を編み出す必要がありました。
そこで、大きな背びれに血管を通し、そこに風を当てることによって体温を下げていたと考えられているのです。
長い年月を生きてきた恐竜だからこそ、地球の変化に合わせて身体を進化させていったのではないでしょうか。
小さな前足の役割は?
引用:pixiv
イラストからもわかる通り、たしかにアクロカントサウルスの前足は非常に短く、小さいです。
さらに、腕は肩から上には上がらず、肘から先は曲げ伸ばしができなかったようです。
つまり、この前足は狩りに一切使用することができず、噛みついて獲物を捕らえるという方法で狩りをしていたと言われています。
いえ、曲げ伸ばしはできないものの、3本の指があり、自分の身体の方へ強い力で引き付けることはできたようで、一度捕まえた獲物は逃せないような役割をしていたと考えられています。
アクロカントサウルスの大きさや重さ
引用:Amazon
大きさや重さに関しては、先ほどの表にもある通り、全長は約11~12m、体重は約5~6tと言われています。
ティラノサウルスが全長約13m、体重約9tですので、互角の大きさを誇る巨大な肉食恐竜であったと言えます。
その大きさのおかげで、アクロカントサウルスは、生存していた白亜紀前期の捕食者の頂点に君臨していました。
また、体高は約3mありました。
生存競争の激しい恐竜時代に、身体の大きさを活かしてその時代最強の恐竜として生き延びてきたということですね。
アクロカントサウルスの食性は?餌はなんだったの?
引用:pixiv
ここまででアクロカントサウルスの特徴がわかりましたが、生態系のトップが何を捕食して生きてきたのか気になりますよね。
アクロカントサウルスは、肉食恐竜として、ブラキオサウルスなどの巨大な草食恐竜を捕食したことがわかっています。
実際、北アメリカでは4頭以上のアクロカントサウルスが約20頭のブラキオサウルス類を追跡したとされる足跡化石が発見されています。
さらに、片足だけの足跡も発見されており、これはブラキオサウルス類に噛みついた後に、引きずっていた痕跡であると推測されています。
たしかに、なぜ草食恐竜を襲っていたのか。
これに関しては、集団生活をしていたからではないかと言われています。
集団生活をしているということは、その場にたくさんの恐竜がいるということ、すなわちアクロカントサウルスからすれば、餌がたくさんある状況ということになります。
つまり、そういう恐竜を襲った方が、効率よく餌を得ることができるのです。
また歯は大きくて薄く鋭いもので、骨を噛み砕くことよりも、肉を噛み切ることに特化していたようです。
このことから、獲物の急所を確実に狙って仕留めることができていた可能性が高いと考えられています。
アクロカントサウルスの名前の由来
アクロカントサウルスの正式な学名は、アクロカントサウルス・アトケンシス。
この名前には、どのような由来があるのでしょうか。
最後にその由来について確認していきましょう。
アトケンシスとは「アトカ産の」という意味で、アメリカのオクラホマ州・アトカ群で発見されたことが示されています。
アクロカントサウルスの名前の由来はギリシャ語で「高い隆起を持つトカゲ」という意味になっています。
細かく分けると次のような語源です。
ἄκρος / akros=極めて高い
ἀκανθο / akantho=トゲ、背骨
σαῦρος / sauros=トカゲ
ギリシャ語を知っている方であれば、誰でも納得できちゃうような名前の由来となっています。
まとめ
引用:pixiv
今回は、アクロカントサウルスの特徴について、解説していきました。
まとめると、
・アクロカントサウルスはティラノサウルスと並ぶ巨大な肉食恐竜
・アクロカントサウルスは白亜紀前期の生態系の頂点に君臨
・アクロカントサウルスの小さな前足は獲物を掴んで引き付ける役割
・アクロカントサウルスはブラキオサウルスなどの大型草食恐竜を集団で捕食していた
アクロカントサウルスについて知識を深めることはできたでしょうか。
まだ解明されていない部分が多い恐竜ですので、これからの研究に期待しましょう。