アリオラムスという恐竜をご存知でしょうか。
アリオラムスはティラノサウルスの仲間とされている中でも体が小さく中型肉食恐竜に分類されています。
そんなアリオラムスですが、
「どんな恐竜なの?」
「大きさや重さはどのくらいなの?」
「どういった特徴をしているの?」
「名前の由来は?」
と疑問に思うことは多いかと思います。
この記事では
・アリオラムスの基本情報
・アリオラムスの発掘と名前の由来
・アリオラムスの研究に必要不可欠だった恐竜について
について詳しく説明していきます。
目次
アリオラムス基本情報
まずこの章では、
・アリオラムスの主な特徴
・その他の特徴
に分けて詳しく説明していきます。
アリオラムスの主な特徴
大きさ | 約5~6m |
重さ | 約1~1.5トン |
餌 | 肉 |
分類 | 獣脚亜目 テヌタラ下目 コエルロサウスル類 ティラノサウルス科 アリオラムス属 |
模式種のアリオラムス・レモトゥスは、7300万~6800万年前(白亜紀後期)に現モンゴルに生息していました。
ティラノサウルス科と言われていますが、大型の肉食恐竜比べると小柄な全長5~6mです。
重さも軽く、現在も生存している動物で例えるとキリンと同程度と言われています。
餌は鋭利な歯から肉食であったと示されています。
その他の特徴
全ての獣脚類と同じく二足歩行の動物です。
頭骨は約45センチメートルあり、一般にティラノサウルス科の典型的です。
鼻先先端の前上顎骨には不規則な骨質の5つの突起の列があり、この突起は全て高さ1センチメートルを超えています。
上顎骨歯は16本、歯骨歯は18本あり、他のティラノサウルス科を上回る76~78本の歯を持っていました。
アリオラムスの発掘と名前の由来
画像:発見部位は白色
アリオラムス・レモトゥスは1970年代前半にモンゴルのバヤンホンゴル県にて頭骨と3本の中足骨のみ発掘されました。
1976年ソ連の古生物学者セルゲイ・クルザノフにより、突起と細長い頭骨の輪郭が他のティラノサウルス科から程遠いとしてラテン語で「異なる枝」と意味するアリオラムスと命名されました。
アリオラムス・レモトゥスの種小名はラテン語で「取り除かれた」と意味します。
アリオラムスの研究に必要不可欠だった恐竜について
今ではアリオラムスは、ティラノサウルス科アリオラムス属に分類されています。
でも実は当初、ティラノサウルスの仲間ではないと考えられていたのです。
なぜなら頭骨と3本の中足骨一部しか見つかっていなかったからです。
要するに、アリオラムスが「どんな分類に属する恐竜なのか?」がはっきりとしていなかったんです。
しかし2体の恐竜の発掘・研究によりティラノサウルスの仲間でありさらに異なる種としてアリオラムス属として分類されることとなりました。
その2体の恐竜とは「アリオラムス・アルタイ」と「キアンゾウサウルス」です。
この2体について知ることでさらにアリオラムスについて詳しくわかると思います。
今から
・アリオラムス・アルタイの発掘と特徴
・キアンゾウサウルスの発掘と特徴
について説明していきます。
アリオラムス・アルタイ
画像:左がアリオラムス・レモトゥス、右がアリオラムス・アルタイ
2001年にモンゴル白亜紀後期の地層から第2の種であるアリオラムス・アルタイがさらに完全な骨格で発掘され、2009年スティーブン・ルイス・ブルサッテに命名されました。
主な特徴はレモトゥスと変わりはないです。
他のティラノサウルス科の頭骨と比べて顕著に長く丈が低いうえに吻が頭骨の長さの2/3を占めています。
鼻骨の正中線上にレモトゥスが5つあるのに対し3つの突起があります。
前眼窩窓の下で上顎骨の表面が背方に伸びて前眼窩窩との間に溝を作っていますが、レモトゥスにはありません。
レモトゥスとは数が違い、上顎骨歯は17本、歯骨歯20本となっています。
アリオラムス・アルタイの発掘により、アリオラムス・レモトゥスの全体像がみえ分類が正確に位置づけされました。
キアンゾウサウルス
引用:ティラノ軍団の分類を刷新する発見!長い鼻づらの「ピノキオ・レックス」
2014年に中国南部南通累層でアリオラムスとよく類似したキアンゾウサウルスの化石が発掘されました。
学名は「贛州のトカゲ」を意味します。
全長約8~9m 重さ1トン
通常ティラノサウルス類の歯は太く強靭で深く歯槽に収まっていますが、キアンゾウサウルスの特徴的な上顎骨には長く薄い歯が浅く収まっています。
巨大なティラノサウルス科とは異なり、小動物や魚類を捕食していたのではないかと考えられています。
また、その上面には小さく短い角が並んでいました。
レモトゥス、アルタイは共にティラノサウルス科より小型であり面長であることから幼体・亜生体と考えられていました。
しかし似た性質を持ち年齢は成体であると判明したキアンゾウサウルスが発掘されたことにより、アリオラムスも同様に成体であると考えられました。
まとめ
ここまでアリオラムスについて説明してきましたが、レモトゥスだけでは分からなかったことがアルタイやキアンゾウサウルスの発掘によりいろんなことが判明していきました。
アリオラムスは、
・大きさ約5~6m
・重さ約1~1.5トン
・中型肉食恐竜
・ティラノサウルス科
・現モンゴルに生息
・アルタイが発掘されたことにより分類が確定
・幼体と考えられていたレモトゥスやアルタイがキアンゾウサウルスの発見により成体と証明
知りたかったアリオラムスの疑問は解消できましたか?
この記事が、アリオラムスについて知りたいと思った方に役立てていたら良いと思います。