引用:Wikipedia

恐竜の中でも一番研究が進んでいると言われる”プラテオサウルス”ですが、一番進んでいるなら「プラテオサウルスはどんな特徴を持ち、化石や骨格は一体どうなっているのか最新の情報が詳しく知りたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は
・プラテオサウルスの特徴は?
・プラテオサウルスの化石や骨格
これらについて詳しく解説します。
目次
プラテオサウルスの特徴
引用:恐竜図鑑
まずは、プラテオサウルスの基本情報を見ていきましょう。
生息時期 | 三畳紀後期(2億1400万~2億4000万年前の地層から発見) |
発見場所 | ドイツ・フランス・スイス・グリーンランドなど |
分類 | 原竜脚類 |
全長 | 5~10メートル |
体重 | 600㎏~4t |
プラテオサウルスは、三畳紀後期に生息した恐竜時代でも初期の草食恐竜になります。
三畳紀後期は恐竜全盛期の前で10メートルを超える巨大な恐竜はほとんど居ませんでしたし、肉食恐竜もまだ巨大化していません。
その為、この時代のプラテオサウルスは驚異的な大きさだったと言えます。
ではプラテオサウルスの特徴を3つ見ていきましょう。
・2足歩行だった
・カギ爪を持っていた
・歯のある草食恐竜
特徴その1:2足歩行をしていた
プラテオサウルスは最近まで”4足歩行をしていた”と思われ、様々な資料や博物館では4足歩行で紹介されていました。
しかし現在は2足歩行だという事が判明し、資料は書き換えられつつあります。
2足歩行だと分かった決定的な理由は、プラテオサウルスは前足の手首の構造的に掌が内側を向いており、掌を下に向けるなど回転させることができない構造だった・・
つまり前足を地面について歩くことが出来なかったことが証明されたことによります。
引用:Wikipedia
現在では、プラテオサウルスは後ろ足の筋肉が発達していたことや、尻尾は太く骨盤も頑丈だったことから、普段から2足歩行で歩いており状況によっては走って逃げたりもしていたと推測されているのです。

特徴その2:カギ爪を持っていた
引用:Wikipedia
プラテオサウルスの親指はカギ爪となっていました。
プラテオサウルスの指は5本ありますが、1本はほとんど機能しておらず退化していました。
その為4本の指だったとされています。
親指のカギ爪は高い木の枝などをひっかける、土を掘って木の根を採取するのに使ったとされています。

【プラテオサウルス】
三畳紀後期、ヨーロッパ
4.8~10m、主な種 P. engelhardti
原始的な竜脚形類の中では大型になる。
親指に大きな鉤爪がある。たくさんの化石が見つかって研究が進んでいるpic.twitter.com/99XjZeFI2u— 恐竜bot (@kyoryudino) January 9, 2021

特徴その3:歯のある草食恐竜
引用:Wikipedia
草食恐竜には歯のあるものと無いものがいるのですが、プラテオサウルスはギザギザの歯を持つ恐竜でした。
考古学者によると、草食恐竜で”歯”を持っている目的はただ一つ『植物の葉をつかみ取る事』それだけの為にあったと言っています。
プラテオサウルスの頭部は口先になるほど細くなる三角形のような構造をしていました。
その構造から”餌”を口の中に溜めておくことも出来たとされています。
プラテオサウルスは大きな体を維持する為に、多くの餌を食べなければなりませんでした。
長い首に小さな頭は高い所の”餌”をギザギザの”歯”でつかみ取り、口の中に溜めておく事で効率よく沢山の餌を独占して食べることが出来たと言われています。

当時の草食恐竜は”胃石”をし、胃の中で食べた食物をすりつぶす者が多かったので『プラテオサウルスも胃石をしていたのではないか?』と考えられていました。
しかし、発掘した化石の胃の中から胃石のハッキリした証拠はいまだ発見されておらず、不明なのです。
プラテオサウルスの化石や骨格について
引用:Wikipedia
プラテオサウルスが初めて発見されてから170年になります。
その後100体以上もの化石が、ドイツ・フランス・スイス・グリーンランドなど広範囲にわたって発見されました。
これ程広範囲にわたって発見されているのは、当時のヨーロッパは現在とは違い、高温で更に乾燥気候だった為『餌となる植物をもとめ季節で集団移動していたから』と言われています。
これはプラテオサウルスの化石が一箇所で大量に発見されたことで、群れを作って移動していたことが分かった為このような見解になりました。

また、プラテオサウルスの大きさ表記が5~10mとあるのは、食物の入手環境などの要因で成長速度と最終的サイズが違ったようで、5メートルでも完全な成体があったことによります。
プラテオサウルスの骨格はどうなっているの?
プラテオサウルスの研究の量や質とは裏腹に、骨格や特徴について長い間誤解されていた恐竜の1つでした。
この誤解について長く論議され続けてきましたが、最新技術を駆使した研究によって近年解明することが出来たのです。
それは下記の2つです。
・骨格の勘違い
・分類の勘違い
これらの勘違いを詳しく見ていきます。
プラテオサウルスの骨格は勘違いされていた
1つ目は骨格の勘違いです。
プレシオサウルスは長い間4足歩行として展示されていました。
首が長く頭が小さい、体は樽のように大きく長い尻尾を持っていたため、”竜脚類”の特徴を持っていたプレシオサウルスは『4足歩行をしていた』と思われていたのです。
しかし、実際骨格を組み立てると構造上おかしな点があり、考古学者の間で長く論議されていたのです。
下記の写真は4足歩行で展示されていた”プラテオサウルス”です。
引用:Wikipedia
専門家があげた構造上の疑問点は下記になります。
・前足の長さが異常に短い
・肩甲骨の位置が解剖学上機能しない
・肘の関節が離断している
・前足が回内出来ない(地面をついて歩けない)
・胸部の形状が異なる

下記の写真はデジタルで完全な骨格を再現した論文によって、姿勢を変えたものになります。
この論文が評価され、現在は重心や腕の付き方や掌の向きを修正した姿勢で展示されています。
プラテオサウルスの全身骨格にCADで肉付けして体格とかを求めたらしい(2010年)https://t.co/OJBHUhYGVX
— 冠龍 第2ブログ始動 (@Guanlong_wucaii) September 27, 2020
この論文が公開されたのが近年ですので、まだまだ4足歩行と2足歩行の両方が出来るなどの記載は存在します。
巨大竜脚類の先祖と勘違いされていた
2つ目は分類の勘違いです。
プラテオサウルスはジュラ紀に繁栄した”巨大竜脚類”(ブラキオサウルス等)の祖先と思われていました。
しかし研究が進んだ現在は、”竜脚類と同じ先祖を持つが別のグループであることが判明”したのです。


プラテオサウルスはユースケロサウルス・イーメノサウルスと同じ分類で『原竜脚類(古竜脚類ともいう)』に入ります。
この”原竜脚類”は特徴として長い首・小さい頭・長い尻尾があります。
この特徴は『竜脚類』にもある為「原竜脚類や竜脚類に進化したのではないか・・プラテオサウルスは竜脚類の祖先なのでは?」と思われた為です。
特徴も似ていましたし、プラテオサウルスが絶滅した後に巨大な竜脚類が繁栄していたことも勘違いをしてしまう要素でもありました。

まとめ
引用:恐竜図鑑
今回はプラテオサウルスの特徴と、化石や骨格はどうなっているのかについて解説してきました。
まとめますと
・プラテオサウルスの特徴は「2足歩行・カギ爪を持っている・歯のある草食恐竜」
・化石や骨格については「集団で移動していたため広範囲で発見された・4足歩行と勘違いされていた・巨大竜脚類の祖先と勘違いされていた」
以上になります。
170年研究され一番多くの化石を発掘している恐竜でさえ、誤解や勘違いがあります。
現代の最新技術で新たに解明されていくこともあると思いますが、今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。