サウロロフスはカモノハシ竜と呼ばれる大型草食恐竜です。大きさはティラノサウルスと同じくらいあると言われているんですよ。
大量に化石が発掘されているので、海外だけでなく日本でも骨格標本や化石を見ることができます。
実際にどこの博物館で展示されているかも紹介していきますね。
・サウロロフスはどんな恐竜?
・サウロロフスの化石
・サウロロフスの意味とは?
・サウロロフスの大きさ
を見ていきましょう。サウロロフスにはどんな特徴があり、魅力があるのでしょうか。ワクワクしますね。
目次
サウロロフスはどんな恐竜?
引用:Amazon
サウロロフスってどんな恐竜なのでしょうか。大型草食恐竜と言いますがどんな特徴があるのか、ここで見ていきましょう。
・サウロロフスの特徴
・サウロロフスのトサカ
・サウロロフスは二足歩行も四足歩行も可能
・サウロロフスはデンタルバッテリーがある
上記4点を見ていきます。サウロロフスの特徴が詳しく分かるようになりますよ。
サウロロフスの特徴
特徴
名前 | サウロロフス |
科 | ハドロサウルス科 |
分類 | 鳥盤目、鳥脚亜目 |
生息地 | 北米(カナダ)、アジア(モンゴル) |
生息年代 | 白亜紀後期(約7000万年前から6,850万年前) |
全長 | 9m~12m |
体重 | 2~3t |
食性 | 植物 |
サウロロフスはカモノハシ竜の代表的な恐竜です。カモノハシ竜はカモのような嘴をもち、平たく丸みのある上あごをもつ鳥脚亜目の恐竜です。
#カルガモ #カモは最高 #おくちパカー 久しぶりにキタ。(何が?) 口を開けた鳥、とりわけカモって、どうしてこんなにかわいいんでしょう? pic.twitter.com/XmyIMk7kOs
— toriusagi96 (@toriusagi96) January 21, 2021
口の中には歯がぎっしり並んでおり、この歯を使って咀嚼し植物を食べます。歯があるので種子や小枝など硬い葉でも食べていたようです。
鋭い爪や牙など攻撃するような特徴は見受けられませんが、足が速く耳や目が良かったのではと言われています。
サウロロフスは体が大きいので向かってくる恐竜はほとんといなかったようですが、幼体や弱った個体はティラノサウルスのような肉食恐竜に襲われたのではと言われています。
ハドロサウルス科は群れをつくっていた可能性が高く、サウロロフスも群れで行動していたと考えられているようです。
サウロロフスのトサカ
サウロロフスの頭の後ろ側にはトサカがついています。
他の恐竜にもトサカがついていますが中身は中空でした。つまり内部は空っぽということです。
サウロロフスのトサカには骨がぎっしり詰まっているので珍しいんですよ。サウロロフスのトサカには一体どんな役割があるのでしょうか。
研究者はサウロロフスのトサカに関して様々な仮説を立てました。
・シュノーケルの役割
・ラジエーターの役割
・鳴き声を増幅させる
・種の識別やディスプレイ(求愛行動)
上記4つの説を唱えましたが、現在では種の識別とディスプレイの説が有力な説です。
サウロロフスの外観から水中生活をするとの説が1980年代にありました。トサカの内部が中空であり、鼻腔から空気が通ると思われていたからです。
まさに空気のタンク、シュノーケルの役割だと考えられていましたが、トサカの内部が中空でないことが分かりシュノーケルの役割は否定されました。
また、鼻腔の周囲には空気を吸った時に風船が膨らむような組織があり、乾燥した空気が肺に届かないようにするラジエーターの役割も唱えられました。
他にも鼻から後頭部にかけて皮膚でできた袋を持っており、吠える際に声を増幅するための役割があるとも考えられたようですが、根拠はありません。
証拠となる化石が発掘されない限り想像の域を出ないようです。
ポイント
種の識別とディスプレイが現在では有力な説です。
サウロロフスは二足歩行も四足歩行も可能
サウロロフスは二足歩行だけでなく四足歩行もできる恐竜です。
サウロロフスの前足・後ろ足の両方に蹄があることから、四足歩行の可能性が高いと言われていました。
ですが、急ぐ時には後ろ足で立ち上がる二足歩行も可能だったのではないかと考えられるようになります。
サウロロフスには巨大な尻尾がありますが、二足歩行をする際、巨大な尻尾がバランスをとる役割を果たしていたのだろうと考えられました。
後ろ足のつま先は、やや内向きで、前足の爪は2本だけだということが、足跡の化石から分かっています。
サウロロフスはデンタルバッテリーがある
サウロロフスの口の中は、他のカモノハシ竜と同じく「デンタルバッテリー構造」となっていました。
デンタルバッテリー構造は、親指ほどの小さな歯がびっしり集まり、ヤスリのような列が複数並んだ構造のことです。
最上列の歯が折れたり使えなくなったりすると、下列の歯が置き換わり鋭い歯を常に保つことが出来るようになっています。
現生のサメの歯と同じ構造です。
#夏休み子ども科学電話相談
見つけた!ハドロサウルス類の何層にも折り重なった歯。サウロロフス類の一種、福井県立恐竜博物館。
後から後から生え変わる、デンタルバッテリーっていう構造なんですって。川上先生の「鳥類学者無謀にも恐竜を語る」にこの用語が出てきました。 pic.twitter.com/kkVMcuR7yR— しちみ黒猫 (@sichimikuroneko) August 10, 2017
鋭く細かい歯を使って植物をすりつぶして食べていました。食べている間に摩耗して歯が使えなくなっても交換できるのは便利ですね。
サウロロフスの化石
引用:Amazon
サウロロフスの化石はカナダとモンゴルで発見されていますが、特にモンゴルのゴビ砂漠では大量に見つかっています。その化石を実際に見たいと思うかもしれませんね。
・サウロロフスの化石はモンゴルに多い
・実際にどこで見れるのか?
上記2点を解説してきます。
サウロロフスの化石はモンゴルに多い
サウロロフスの化石はカナダやモンゴルで発掘されています。
モンゴルから発掘されたSaurolophus angustirostris、カナダから発掘されたS. osbornの2種が知られているようです。
特にモンゴルのゴビ砂漠、Dragon’s Tomb(龍の墓)と呼ばれる発掘地があり、皮膚痕も残る良好な保存状態の化石が発掘されました。
100個体以上の骨が見つかったため、大量死した後そのまま化石になったと考えられているようです。
多くの化石が発見されているため、大型鳥脚類の中でも比較的研究が進んでいる恐竜なんですよ。
#金曜日だから化石貼る
サウロロフス
白亜紀後期のモンゴルと北米に生息していた大型鳥脚類。鶏冠が特徴。研究は進んでいるが、パラサウロロフスに知名度で負けている哀愁漂う恐竜。 pic.twitter.com/x43batURkK— 大川龍牙(自論を持つティラノサウルスファン) (@Jironsaurus) December 11, 2020
実際にどこで見れるのか?
サウロロフスの骨格を博物館で見ることができます。骨格を見るだけでなく恐竜に関する資料の閲覧もできるので勉強になりますよ。
日本国内とモンゴルにある博物館を紹介します。
・岡山理科大学恐竜学博物館
・福井県立恐竜博物館
・モンゴル恐竜中央博物館
上記3つの博物館を見ていきましょう。博物館ではより深く恐竜のことが学べますよ。
岡山理科大学恐竜学博物館
岡山を中心に、地域の自然科学教育と普及に貢献することを目的として2018年に設立された施設です。
モンゴル・ゴビ砂漠で行われている発掘調査や研究について紹介し、骨格標本や足跡の化石の閲覧もできます。
タルボサウルスの組み立て全身骨格やサウロロフスの後ろ足が展示されています。
岡山理科大学
恐竜学博物館 A1号館の図書室
サウロロフスとタルボサウルスの後肢比較 pic.twitter.com/tPvI8R3klh— パンテオン(半遁モード) (@pantheo27705718) March 2, 2019
図書室が併設されており、本を借りることができます。恐竜について学ぶ環境が整っているので面白いですよ。
施設名 | 岡山理科大学 恐竜学博物館 |
住所 | 岡山県岡山市北区理大町2-2 |
営業時間 | 10:00~16:45 |
料金 | 無料 |
公式サイト | http://dinosaur.ous.ac.jp/museum.html |
福井県立恐竜博物館
恐竜に関する資料を豊富に取りそろえ、地球史を学ぶことができる国内でも最大級の博物館です。銀色のドームが目立つので、来場する際には迷わないでしょう。
「恐竜の世界」「地球の科学」「生命の歴史」の3つのゾーンで構成され、「恐竜の世界」では竜盤目・鳥盤目合わせて44体の全身骨格を見ることができます。
OLYMPUS
OM-D E-M1
MZD ED12-40/f2.8pro福井県立恐竜博物館
サウロロフス、オロロティタン、ヒプシロフォドン、アギリサウルス、カンプトサウルス、マンテリサウルス、イグアノドン、カマラサウルス、マメンチサウルス、ブラキオサウルス、ティラノサウルス、#FossilFriday #金曜日だから化石貼る pic.twitter.com/b58bhZMwVG— しちみ黒猫 (@sichimikuroneko) January 17, 2020
サウロロフスもいるので他の恐竜も一緒にしっかり見れますよ。
展示面積は4,500㎡ありますが、恐竜骨格や化石、標本、ジオラマ、復元模型などが展示されているため見ごたえがあります。
施設名 | 福井県立恐竜博物館 |
住所 | 福井県勝山市村岡町寺尾51-11かつやま恐竜の森内 |
営業時間 | 9:00~17:00 予約・入替制 |
料金 | 一般730円、高・大学生420円、小・中学生260円 未就学の幼児、70歳以上の方は無料 |
公式サイト | https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/ |
モンゴル恐竜中央博物館
モンゴルにある恐竜中央博物館ですが、恐竜が好きな方であればぜひとも訪れたい場所です。
クォリティの高い化石が展示されていますが、そのほとんどが実物化石なので見る価値があります。
モンゴルはモンゴル恐竜化石が多く発掘されるので、恐竜の研究者や恐竜が好きな方から注目を集めています。
モンゴル恐竜中央博物館のサウロロフス。
足元に小さな化石が展示してあります。
以前にも書きましたが、この博物館のすごいところは化石が全部実物だってことです。なんじゃそれ!#金曜日だから化石貼る#fossilfriday pic.twitter.com/jDBYwCChm5— Horihito.M (@CP_Clown) March 27, 2020
見る人を圧倒するほど大きなティラノサウルスの化石、タルボサウルスの迫力は訪問者を驚かせます。
館内は30分~1時間ほどで回れるほどの規模ですが、英語で対応する説明要員がいるため英語が分かる人には面白いでしょう。
博物館がモンゴルにあるので不慣れな方は、ツアーなどを利用すると良いかもしれません。
施設名 | モンゴル中央恐竜博物館 |
住所 | Chingeltei District, 5th Khoroo, Independence Square, Ulaanbaatar 11000, Mongolia |
営業時間 | 9:00~18:00 |
料金 | 入場料5,000トゥグルグ。写真撮影する場合は更に5,000トゥグルグ。(2019年7月現在) |
公式サイト | https://www.facebook.com/mongoliandinosaurs/ |
サウロロフスの意味とは?
サウロロフスは、「隆起のあるトカゲ」という意味です。
古典ギリシャ語:σαuροç /szaürosz(サウロス)「トカゲ」+λοφος/lofosz(ロフス)「隆起物」の合成語です。
さらに、サウロロフスは鳥盤目・鳥脚亜目に属すハドロサウルス科です。
ハドロサウルス科はカモのように長くて平たい口吻部が特徴的なので、カモノハシ竜、カモノハシ恐竜として知られています。
サウロロフスもカモノハシ竜と呼ばれ親しまれていますよ。
サウロロフスの大きさ
引用:Amazon
サウロロフスは体長9~12m、ときには13mに達するほどの大型恐竜です。
同時代に生息していたティラノサウルス科の恐竜タルボサウルスと同じくらいの大きさだと言われています。
比較
名前 | サウロロフス | タルボサウルス | ティラノサウルス |
科 | ハドロサウルス科 | ティラノサウルス科 | ティラノサウルス科 |
全長 | 9~12m | 10~12m | 最大13m |
体重 | 2~3t | 4~5t | 最大9t |
ティラノサウルスの全長は最大13mあり、獣脚亜目の中でも最大級の体格を誇る肉食恐竜の一種として知られています。
このティラノサウルスと同じくらいの体格をもつタルボサウルス、サウロロフスはかなり大きい恐竜と言えるでしょう。
サウロロフスは鳥脚亜目の中でも大型だと言われており、アジアでは最大級の大きさを誇る恐竜だと考えられています。
まとめ
サウロロフスはどんな恐竜か、化石や意味、大きさを見てきました。
ポイント
・サウロロフスのトサカは、種の識別やディスプレイ(求愛行動)の説が一般的
・サウロロフスの化石はモンゴルのゴビ砂漠で大量に見つかっている
・サウロロフスは「隆起のあるトカゲ」という意味
・サウロロフスはアジア最大級の恐竜
サウロロフスはカナダとモンゴルが生息地ですが、化石はモンゴルのゴビ砂漠で多く発掘されています。
発掘された化石から研究が進み、さらに新しい事実が浮上するかもしれませんね。
日本国内でもサウロロフスの化石や骨格を見ることができますが、恐竜が好きな方は一度はモンゴルに足を運ぶのも面白いでしょう。
サウロロフスが生存していた場所で、サウロロフスの化石を見るのはロマンがありますね。