引用:恐竜ネット
パラサウロロフスは頭に大きなとさかがあることで有名な恐竜です。
映画などでも度々登場してくる恐竜なので、イメージがしやすい方が多いでしょう。
しかし、パラサウロロフスの生態について詳しい方は少ないのではないでしょうか。
「一体何を食べているの?」
「どんな鳴き声をしているんだろう」
など気になることってたくさんありますよね。
この記事では、パラサウロロフス次の点について詳しく解説していきます。
・どのような食べ物を食べていたか
・頭のとさかは一体なんのためにある?
・鳴き声はどんな声だったか
ではさっそくみていきましょう。
目次
パラサウロロフスとはどんな恐竜?
引用:STEM RESORT
パラサウロロフスは白亜紀後期時代、北米に生息していた恐竜です。
分類としては鳥脚類に該当し、鴨嘴竜(カモハシリュウ)と呼ばれています。
全長は10mほどあったと推測されており、なんと肩までの高さが5mに達していると考えられています。
5mの高さというとおよそ家の2階くらいの高さです。
見上げないと顔が見えないほど大きかったようですね。
どうしてパラサウロロフスと名付けられたの?
恐竜の名前にはそれぞれ見た目の特徴から名付けられることが多いですが、パラサウロロフスの場合は少し違います。
パラサウロロフスが発見される以前にサウロロフスという恐竜が発見されていました。
そのサウロロフスに似ていたことから「サウロロフスに似たもの」という意味をもったパラサウロロフスと名付けられたのです。
参考までにサウロロフスはこちらです。
引用:恐竜図鑑
こうしてみるとパラサウロロフスと骨格などもすごく似てるように思えます。
しかし、パラサウロロフスとサウロロフスには大きな違いがあります。
それはパラサウロロフスのとさかの中は空洞になっているということ点です。
対し、サウロロフスのとさかの中は中身が詰まっていたことが判明しています。
見た目は似ていますが骨格などからみてまったくの別物と考えてよさそうですね。
とさかについては後ほど説明させていただきます。
ちなみにパラサウロロフスの名付け由来となったサウロロフスは「隆起のあるトカゲ」と意味合いを持っていました。
何を食べて生活をしていた?
パラサウロロフスは草食の恐竜であったと推測されています。
地面に生えている草木だけではなく、高い木になっている木の実などを捕り幅広い嘴ですりつぶして食べていました。
さらに、優れた嗅覚をもっていたと考えられており遠くになっている木の実や果物の場所をにおいで特定し見つけることができたようです。
こういった行動からみても、頭のいい恐竜だったようですね^^
頭についているとさかはどんな役割がある?
一番気になるのはやはり頭についているとさかではないでしょうか。
実はあれは鼻の骨の一部が変形したものなのです。
頭の後方に向かって伸びており、中にも鼻道が通っているので何かの役割を担っていたと考えられています。
次の2点の可能性が研究者の間では挙げられています。
・シュノーケル代わりに使われていた
・鳴き声を出すために使われていた
ひとつずつ紹介していきますね。
説①:シュノーケル代わりに使われていた
水中に潜る際にシュノーケルの代わりに使われてたと長年考えられていました。
考えられていた理由は2つあります。
・水陸両生の恐竜と考えられていた
・4本の管のような構造を見つけた
この事実がわかったのはたまたま割れたところから4本の管を発見できたことからでした。
当時の研究方法では化石の内部まで調べることは不可能だったので、この説が有力とされていたのです。
しかし、現在では否定的な意見が圧倒的に増えてきています。
その理由はとさかには呼吸口がなかったため、水中での生活はなかったという考えに変わってきました。
説②:鳴き声を出すために使われていた
現在は、鳴き声を増幅するために使われていたという説が濃厚になっています。
なぜなら、鼻の穴から伸びた管がとさかの先端で折り返され肺の方へつながっていたのです。
管楽器のような構造になっていたため、共鳴し鳴き声を増幅できたと考えられています。
どのような鳴き声だったのかは後ほど説明させていただきます^^
また雄のとさかの長さは雌のとさかよりも長いことが判明しています。
性別の区別などにも活用されていたと考えられています。
どんな鳴き声だったか
先程、管楽器のような作りだと説明しましたがどのような鳴き声だったのでしょうか。
実際に、パラサウロロフスの声を再現する実験が行われました。
それは鼻孔を再現し空気を送り込むという実験でした。
その結果、パラサウロロフスも鳴き声はトロンボーンやユーホニウムなどの金管楽器によく似た重低音だったと考えられるようになりました。
実際にパラサウロロフスの鳴き声を再現した動画がこちらです。
かなり低い音であることがわかりますね。
音は低音よりも高音のほうが聞こえやすいといわれています。
なので低音の鳴き声は、肉食動物には認知されにくかったため、仲間を呼ぶときに有効だったのでしょう。
高音の鳴き声を発する恐竜にはうらやましい特徴ですね^^
4足歩行も可能だった?
パラサウロロフスは2足歩行の恐竜です。
高い木のみなどを収穫する際も、2足で立つことで可能にしていたと考えられています。
しかし、パラサウロロフスの器用なところはそれだけではありません。
パラサウロロフスも該当する鳥脚類は基本2足歩行のみで行動をしていましたが、パラサウロロフスのような大型の鳥脚類は体を支えるためにも4足歩行を併用していたと考えられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では次のことについて解説してきました。
・草木や木の実、時には気になっているものを捕り食べていた
・とさかは水中用と考えられていたが現在は否定されており、鳴き声の増幅の役目を担っていた説が濃厚
・金管楽器のような重低音な鳴き声だったので、肉食恐竜からも認知されにくかった
パラサウロロフスの化石の発見は世界的にも少なく、研究材料が限られています。
今後新たな化石が発見され、さらにパラサウロロフスの情報が深堀できることを楽しみにしていましょう^^