引用:ギガントラプトル(Gigantoraptor) | 恐竜図鑑
ギガントラプトルはどんな恐竜なのでしょうか。
まだまだ研究途中ということもあり、明らかになっていない事実がたくさんあります。他の恐竜とは違う点もあり珍しいと評判なんですよ。
・ギガントラプトルはどんな恐竜?
・ギガントラプトルの重さや大きさ
・ギガントラプトルの餌は何?
・ギガントラプトルの卵
について解説していきます。ギガントラプトルならではの珍しい特徴に驚くかもしれません。
目次
ギガントラプトルはどんな恐竜?
ギガントラプトルは、見た目がダチョウのようにも見えますがどんな恐竜なのでしょうか。
・ギガントラプトルの特徴
・ギガントラプトルは羽毛恐竜
・ギガントラプトルの体温調節
上記の3点を中心にご紹介します。どんな特徴があるのかワクワクしますね。
ギガントラプトルの特徴
特徴
名前 | ギガントラプトル |
科名 | オヴィラプトル科 |
分類 | 獣脚類、竜盤類、双弓亜綱(そうきゅうあごう)、テタヌラ類、コエルロサウルス類 |
生息地 | アジア(中国) |
生息時代 | 白亜紀後期(7000万年前) |
体長 | 8m |
体重 | 2.2t |
繁殖形態 | 卵生 |
ギガントラプトルは以下のような珍しい性質を3つもっています。
・成長速度が早い
・軽量化した体
・鳥のような特徴がある
また、ギガントラプトルは成長速度が早かったと言われています。早く成長することで様々な餌を食べることが出来る上に、捕食者から逃げられる確率が高まります。
成長が早いことで体に負担がかかりますが、ギガントラプトルは軽量化しているため成長速度に対応できたようです。
ギガントラプトルは羽毛恐竜
ギガントラプトルは羽毛恐竜と呼ばれることもあります。
骨格に羽毛が残っているなどの明確な証拠はありませんが、羽毛があったのではないかと推測しています。
ギガントラプトルと同じオヴィラプトロサウルス類に属する、カウディプテリクスやプロターケオプテリクスには羽毛があったと考えられているからです。
そのため、ギガントラプトルにも羽毛があったのではと言われており、腕に生えていたと考えられました。
ギガントラプトル
(オヴィラプトル科)
肉食
ゴビ砂漠
8m、1.5t
羽毛恐竜 pic.twitter.com/DYWpCsj7QI— パルミノドン (@permilmildiet) June 28, 2014
ギガントラプトルの体温調節
ギガントラプトルは、体温調節を自らの体重に依存していました。
ヴィラプトロサウルス類の中でも体の大きな恐竜なので、小型動物のように体を保温しなくても済んだようです。
ヴィラプトロサウルス類には羽毛の痕跡がある恐竜がいますが、飛ぶためではなく求愛行動・体温調節のために使われたいたようです。
ギガントラプトルにも羽毛が生えていたという説もあるようですが、体温調節をするためではないと言われています。
ポイント
体重で体温調節ができる
ギガントラプトルの重さや大きさ
引用:Amazon
ギガントラプトルは大きい恐竜のようです。それではどれぐらいの大きさがあるのでしょうか。体が大きければ体重もありそうです。
・ギガントラプトルの重さは?
・ギガントラプトルの大きさは?
上記2点を見ていきましょう。どれぐらいの大きさか分かりますよ。
ギガントラプトルの重さは?
ギガントラプトルは1.5~2.2tの重さがあると推定されています。
2005年にモンゴル自治区で発掘された個体は1.5tでした。まだ成長しきっていない亜成体だったことから、成体に成長すれば2.2トンになるだろうと言われています。
ギガントラプトルの大きさは?
ギガントラプトルの体長は8mに達しますが、これはヴィラプトロサウルス類の中でも最大です。それでは他のヴィラプトロサウルス類はどれぐらいの大きさでしょうか。
名前 | ギガントラプトル | ベイベイロン・シネンシス | キチパチ | カウディプテリクス | プロターケオプテリクス |
体長 | 8m | 7.6m | 3m | 約1m | 約1m |
体重 | 1.5~2.2トン | 3t | 不明 | 約200kg | 約1kg |
ギガントラプトル、ベイベイロン・シネンシス、キチパチ、カウディプテリクス、プロターケオプテリクスは、すべてヴィラプトロサウルス類です。
ギガントラプトルの体長は大きく、体長が3mあるキチパチの3倍近くあります。
さらに、ギガントラプトルは足が長い恐竜です。足の長さが3.5mほどあるので、身長180cmの人間でも背が届きません。
仰ぎ見なければならないギガントラプトルは迫力がありますね。
狙うのは卵に思えない!?、巨大なる略奪者、ギガントラプトル! https://t.co/mFAqQnCKP9 pic.twitter.com/bvxJW8xmcP
— ナノテラ-29 (@nobukahului_29) June 21, 2018
ギガントラプトルの餌は何?
ギガントラプトルが何を食べていたかは分かりません。推測ではありますが、分かっている部分もあります。
・ギガントラプトルは植物を食べていた
・ギガントラプトルは肉も食べていた
上記2点を見ていきましょう。謎に包まれているギガントラプトルの食性を想像してみて下さいね。
ギガントラプトルは植物を食べていた
ギガントラプトルが何を食べていたかは分からないのですが、植物食だという意見が強いです。
獣脚類でありながら嘴を持ち、口の中には歯がないという特徴があります。口の中に歯がないため、獲物を食べるのに不便だったのではないでしょうか。
オヴィラプトサウルス類のカウディプテリクスは、胃石が発見されたことから草食だったと言われています。
そのため、嘴があり、口の中に歯がないという特徴に加え、同じオヴィラプトロサウルス類の恐竜が草食だったことから、植物食だったと考えられています。
ギガントラプトルは肉食の可能性
肉も食べていたのではないかという意見があります。
・発達した後ろ足
・前足が大きい
・鉤爪も発達している
上記の3つの理由から、ギガントラプトルが純粋な草食恐竜とは思えないという研究者の主張があります。
発達した後ろ足は地上を速く駆け回るのに向いているため、獲物を追いかけることができるでしょう。
腕が長く前足が大きいのもギガントラプトルの特徴です。さらに前足についている大きく強い鉤爪は、草食恐竜にはそぐわないほど発達していました。
さらに、キチパチの巣からはトロオドン科の幼体の頭骨が発見されたので、肉も食べていたのではと言われるようになりました。
キチパチは、オヴィラプトロサウルス類なので、同じような食性があったのではと考えられています。
ギガントラプトルの卵
ギガントラプトルは卵生なので、卵を生んで子どもを育てます。体長が8mあり2t以上と大きく重い体の恐竜ですが、一体どんな卵だったのでしょうか。
・ギガントラプトルの卵
・ギガントラプトルはどうやって卵を温めていた?
上記2点を見ていきましょう。
ギガントラプトルの卵
ギガントラプトルの卵がどんな卵かはっきりと分かりません。
ですが、1993年に中国で、細長く全長は45cm、重さは5kgほどのオヴィラプトロサウルス類の卵が見つかりました。
ベイビー・ルイ見たい…!
恐竜は竜脚類が好きなので
竜脚類の卵も見たい…!! pic.twitter.com/pZD8esqmDe— Indigo_Blue (@Indigo_Blue_21) May 13, 2017
卵の中には丸まったままの赤ちゃん恐竜がいましたが、ベイビー・ルイと名付けられます。発見された当初はどんな恐竜の卵なのかまでは分かりませんでした。
年代 | 事柄 |
1993年の初めごろ | 卵の化石が中国の河南省で初めて見つかる |
1996年ごろ | 卵の中の赤ちゃん恐竜は、テリジノサウルスという恐竜のグループに属するとされた |
2005年 | 中国で大型のオビラプトロサウルス類の骨格が発見。ギガントラプトル |
2017年 | 正式名称「ベイベイロン・シネンシス(Beibeilong sinensis)」と発表。「中国生まれの赤ちゃん竜」という意味。 |
ベイビー・ルイが中に入っていた卵の大きさと、オヴィラプトロサウルス類の恐竜の体の大きさが合わなかったため、オヴィラプトロサウルス類だという確信が持てませんでした。
オヴィラプトロサウルス類の成体の体長が1~3mほどですが、38cmほどのベイビー・ルイが体長8m、体重は3tの成体になるだろうと予測しました。
どの恐竜の卵か不明でしたが、2005年にギガントラプトルが発掘されたことにより、大型オヴィラプトロサウルス類の卵だと言われるようになりました。
ギガントラプトルの体長は8mほど、体重も2.2トンあるので大型オヴィラプトロサウルス類の卵だと言っても無理がありません。
その後、新種恐竜「ベイベイロン・シネンシス」として世にでてきます。
体長の比較
名前 | ギガントラプトル | ベイベイロン・シネンシス |
分類 | 大型オヴィラプトロサウルス類 | 大型オヴィラプトロサウルス類 |
体長 | 8m | 7.6m |
体重 | 2.2t | 3t |
ベイベイロン・シネンシスの研究はまだ始まったばかりです。
詳細は分かりませんが、同じ大型恐竜なので、ギガントラプトルの卵はベイベイロン・シネンシスの卵と同じ大きさなのではないでしょうか。
ポイント
・ギガントラプトルの卵の大きさははっきりとは分からない
・ベイベイロン・シネンシスの卵とギガントラプトルの卵はほぼ同じ大きさではないかと推測
ギガントラプトルはどうやって卵を温めていた?
はっきりとしたことは分かりませんが、抱卵をしていたのではと考えられています。
最近、新たな恐竜の巣の化石が見つかった。そのサイズにも驚かされたが、何より気になるのがその配置である。親はギガントラプトルと同じ巨大なオビラプトル類とされている。学者はこの巣の真ん中に母親(父親かもしれない)が座って腕の羽毛で抱卵することで卵が潰れることを防いだと考えている。 pic.twitter.com/dld2EEhVRA
— 大川龍牙(自論を持つティラノサウルスファン) (@Jironsaurus) May 11, 2020
卵をドーナッツ上に並べ、真ん中には卵を温める親が座ります。卵をつぶさないための工夫です。
卵と接する面が小さく、温めるのは難しかったようですが、外敵や雨から卵を守っていたようです。
大型オヴィラプトロサウルス類であるベイベイロン・シネンシスは、直径2メートルほどもあるタイヤのような大きさの巣に、最大約60センチの卵を産んだと言われています。
まとめ
ギガントラプトルの特徴、体重や大きさ、餌、卵について解説してきました。
・ギガントラプトルは大きく足が長い
・ギガントラプトルは植物だけでなく肉も食べていた
・ギガントラプトルの卵は、ベイベイロン・シネンシスの卵と同じくらいの大きさだと言われている
ギガントラプトルと同じオヴィラプトルサウルス類の特徴から、ギガントラプトルのことを推測する部分が多かったですね。
発掘調査、研究が進むことで新たな事実が私たちの目に前に現れるでしょう。