翼竜と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。
ではそれらの違いは何でしょうか。
違いと言われると、意外に分からない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
・ケツァルコアトルスとプテラノドンの特徴
・ケツァルコアトルスとプテラノドンの違い
・そもそもケツァルコアトルスとプテラノドンは恐竜なのか
ということについて解説していきます。
ケツァルコアトルスとプテラノドンの特徴
ケツァルコアトルスとプテラノドンの違いについて説明する前に、まずはそれぞれの特徴について、みていきましょう。
ケツァルコアトルス
最初はケツァルコアトルスについてです。
引用元:ケツァルコアトルスの化石や学名の意味ついて解説!体長や体重などの大きさは?|恐竜ネット
ケツァルコアトルスの特徴をまとめると、次の通りです。
名称 | ケツァルコアトルス
(アステカ神話に登場する有翼の蛇型の神ケツァルコアトルにちなむ) |
時代 | 白亜紀後期(約6,800万年前から約6,600万年前) |
分類 | 翼指竜亜目(プテロダクティルス亜目)アズダルコ科 |
翼開長(翼を広げた長さ) | 10~11m程度 |
体重 | 70~100㎏程度 |
ケツァルコアトルスは白亜紀後期に生息していて、この時代には他にティラノサウルス・レックスやトリケラトプスも生息していました。
たしかにイラストなどではティラノサウルス・レックスやトリケラトプスと一緒にプテラノドンが描かれることが多いのです。
しかし、実際にティラノサウルス・レックスやトリケラトプスといたのは、ケツァルコアトルスなのです。
エラスモサウルス科の中で復元時のプロポーションの違いが生じた事で全長縮小が起きた原因になっています。
また、ティラノサウルスと同時代を生きた翼竜がプテラノドンでは無く、ケツァルコアトルスだった様に同時代を生きた首長竜ではアリストネクテス亜科とヒドロテロサウルスが該当します。 pic.twitter.com/5P5cN5WglI— マンブルV2/ツイ減&フォアグラ&職場復帰へ (@V2manburu) May 27, 2019
また、ケツァルコアトルスは骨の内部が空洞になっており、軽量化されていたため、翼長が大きいわりに体重があまりありませんでした。
そしてケツァルコアトルスは、翼と後ろ足で地面に立った時の頭頂高が最大で6メートルで、キリン(平均約5.3メートル)に匹敵するほどの高さでした。
引用元:【FGO】デカくてロマン溢れる白亜紀に存在した史上最大級の翼竜ケツァルコアトルス
ケツァルコアトルスは史上最大級の翼竜と言われています。
最近では、TVアニメ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』でケツァルコアトルスが登場し、話題になりました。
FGOのケツァルコアトルがトレンド入りして一部の古生物オタクが「これを機にケツァルコアトルスを……!」と企んでたみたいだけど、本編にちゃんと「ケツァルコアトルス」が出演してるという事実。
(神が具現化してる世界だからケツァルコアトルスも科学的に正しい姿とは限らない) pic.twitter.com/RLglEDoRrn
— ドリベンタス (@dreventus) February 22, 2020
プテラノドン
次はプテラノドンについてです。
プテラノドンの特徴をまとめると、次の通りです。
名称 | プテラノドン
(歯のない翼を意味する) |
時代 | 中生代白亜紀中期から後期 |
分類 | 翼指竜亜目(プテロダクティルス亜目)プテラノドン科 |
翼長(翼を広げた長さ) | 7〜8m程度 |
体重 | 15kg前後 |
プテラノドンはケツァルコアトルスよりも1000万年以上前に生息していました。
プテラノドンも骨の内部が空洞になっており、軽量化されていたため、翼長がかなりある割に体重は中型犬程しかありません。
また、プテラノドンの最大の特徴として、ケツァルコアトルスや他の翼竜よりも大きなトサカを持っています。
トサカの頂点からクチバシの先まで180cmもあったとされるほどです。
後頭部にある骨性の長大なトサカには諸説ありますが、
「飛翔中、気流の中で首の付け根を支点として嘴(くちばし)との均衡をとり、わずかな力で嘴を動かせるようにする」
「求愛ディスプレイや、同族間の識別」
などの用途があったと推測されています。
ケツァルコアトルスとプテラノドンの違いは?
ここまで、それぞれの翼竜の特徴について、解説していきました。
では、具体的にどこが違うのか、まとめていきましょう。
特に大きな違いが見られるのは、
・生息していた時代
・翼長
・体重
です。
分かりやすく表にすると下のような感じです。
ケツァルコアトルス | プテラノドン | |
生息していた時代 | 白亜紀後期
(約6,800万年前から約6,600万年前) |
中生代白亜紀中期から後期
(約8,930万 ~ 7,400万年前) |
分類 | 翼指竜亜目(プテロダクティルス亜目)
アズダルコ科 |
翼指竜亜目(プテロダクティルス亜目)
プテラノドン科 |
翼長(翼を広げた長さ) | 10~11m程度 | 7〜8m程度 |
体重 | 70~100㎏程度 | 15kg前後 |
特徴 | 頭頂高が最大で6メートル程 | 大きなトサカ |
ケツァルコアトルスとプテラノドンは恐竜なの?
ケツァルコアトルスとプテラノドンは翼竜という呼び方をされていますが、恐竜なのかどうか、分かりませんよね。
結論を言えば、翼竜は恐竜ではありません。
恐竜は簡単に言うと「脚が身体から地面に向かって真っすぐ伸びた爬虫類」です。
ティラノサウルスを例にすると、次のようになります。
引用:ティラノサウルス(骨格)
それに対して翼竜の脚は、途中で曲がっています。
プテラノドンの骨格をみると、後ろ足が途中で曲がっていることがわかります。
引用元:Wikipedia
つまり、翼竜は恐竜の定義に反した生物となります。
まとめ
今回は、ケツァルコアトルスとプテラノドンの違いについて、解説していきました。
整理すると、
・ケツァルコアトルスは 頭頂高が最大で6メートル程で、プテラノドンは大きなトサカが特徴的。
・ケツァルコアトルスの体重は70~100㎏程度なのに対し、プテラノドンの体重は15kg前後。
・ケツァルコアトルスが生息していた時代は白亜紀後期で、プテラノドンが生息していた時代は中生代白亜紀中期から後期。
・ケツァルコアトルスとプテラノドンは爬虫類の一種。
となります。
研究次第では新たな事実が発表される可能性もあるので、今後に期待ですね。