引用:恐竜図鑑アケロウサウルス
アケロウサウルスという恐竜を知っていますか?アケロウサウルスとは北アメリカで発見された草食恐竜です。
そんなアケロウサウルスという恐竜について興味があるけど、
「アケロウサウルスってどんな恐竜なのだろう?」
「何を食べていたの?」
「どんなところに住んでいたの?」
など、疑問に思っているのではないでしょうか?
そこで今回はアケロウサウルスについて、次のような内容で詳しく解説していきます。
・大きさや特徴
・名前の由来
・食べていたもの
・生きていた場所
目次
アケロウサウルスの特徴
この章では、アケロウサウルスの
・基本情報
・大きさ
・見た目の特徴
について説明していきます。
アケロウサウルスの基本情報
科名 | ケラトプス科 |
分類 | 鳥盤類、双弓亜綱(そうきゅうあごう)、周飾頭類 |
生息地(発見地) | 北米(アメリカ) |
時代 | 白亜紀後期 |
全長 | 5~6メートル |
体重 | 3トン |
食べ物 | 植物 |
繁殖形態 | 卵生 |
アケロウサウルスの大きさ
アケロウサウルスは北アメリカで発見されたケラトプス科の恐竜で、他のケラトプス科と比べると体長は小さめです。
例えば、ケラトプス科で有名な恐竜といえばトリケラトプスですが、トリケラトプスは体長約9メートル、体重は7トンもあったとされています。
それに比べると、アケロウサウルスは体長5~6メートルに体重約3トンと、一回りほど小さいです。
人間と比較してもイメージが付く大きさですね。
引用:恐竜図鑑人との比較図
アケロウサウルスは角がない?
アケロウサウルスは角竜で、その姿は他のケラトプス科とよく似ています。角竜といえば角です。しかし、他のケラトプス科であれば角が生えている場所に角がないのがアケロサウルスの特徴です。
トリケラトプスなど他のケラトプス科には鼻と額の部分に大きな角があります。ところがアケロサウルスにはこの角がなく、代わりに特徴的なコブがありました。
アケロウサウルスの目と鼻の間には溝のあるゴツゴツとしたコブがあり、眉の上には大きなヒレのようなコブがあります。このコブは、パキリノサウルスにもあり似ていることから、アケロウサウルスはパキリノサウルスの祖先型の恐竜ではないかと考えられています。
下の図はアケロウサウルスとパキリノサウルスのイラストです。
コブを見比べてると、アケロウサウルスの方が鼻の上のコブは低く、眉部分のヒレのようなコブは広いのが分かります。この様に見比べると違いが分かりますが、それでもよく似ていますよね。
そしてこのイラストでも分かるように、襟飾り(フリル)には角があります。フリルの上部分には長く平たい2本の角が突き出ていました。
このフリルの角は、同じケラトプス科のエイニオサウルスと似ています。
引用:川崎悟司イラスト集エイニオサウルス
つまり、アケロウサウルスパキリノサウルスとエイニオサウルスの特徴をあわせ持つ恐竜はであると言えます。
アケロウサウルスの名前の由来
アケロウサウルスとは「アケローオスのトカゲ」という意味の名前です。
アケローオスとはギリシャ神話に登場する河の神様の名前で、このアケローオスには“ヘラクレスに角を折り取られた”というお話があるそうです。先程特徴のところで書いたように、アケロウサウルスは角がない事が特徴なので、このような名前を付けたのではないでしょうか。
またアケロウサウルスはエイニオサウルスの特徴とパキリノサウルスの特徴をあわせ持つことから、変身を連想させます。そのため、変身の能力を持つアケオーロスの名がつけられたとも言われています。
引用:Wikipedia『アケローオスとデーイアネイラ』
見た目の特徴を神話に当てはめて名前を付けるとは、なんともロマンチックですよね。
アケロウサウルスの食べていたものは何?
アケロウサウルスは草食恐竜で植物を食べていたのではないか、とされています。
しかし、残念ながら恐竜の食べていたものを正確に特定することはできません。
ではなぜ植物を食べていたのでは、と言えるのでしょうか。それは同じ分類の恐竜の傾向と特徴的な歯、この2点から推測することができるのです。
この2点をもう少し詳しく解説いたしましょう。
1.分類上の傾向
アケロウサウルスの分類は、“鳥盤類、双弓亜綱(そうきゅうあごう)、周飾頭類”となっています。
恐竜は骨盤の形から、大きく鳥盤類と竜盤類という2つの分類に分けることができ、鳥盤類は草食恐竜です。
引用:『科学館日記』
アケロウサウルスは鳥盤類であるため、食べていたものは植物ではないかと推測できます。
2.特徴的な歯
次は歯の特徴です。アケロウサウルスには、デンタルバッテリーと言われる歯が数百本並んでいます。
デンタルバッテリーとは一部の草食恐竜にみられる特殊な歯の構造です。細かい歯が集まりおろし金のような形になっていて、それがいくつも重なっている状態です。
植物を食べる時、すり潰すようにして食べることで歯が磨耗します。すると生え変わるように上の歯と下の歯が置き換わることで、常にに切れの良い歯が保たれるようになっていたのです。
この様な歯の特徴からも、アケロウサウルスが植物を食べていたことが予測できるという訳です。
アケロウサウルスの生息していた場所はどんなところ?
アケロウサウルスの化石は、北米モンタナ州で発見されました。アケロウサウルスが生息していたとされる白亜紀後期の北アメリカはどんな場所で、どんな環境でだったのでしょうか。
今から約7500万年前の白亜紀後期の大陸は、それまで1つの大きな塊になっていましたが、この頃には分裂し七大陸になっていたのではないかとされています。
気候は温暖で、酸素や海の水も多く、様々な種類の生き物が各大陸に繁栄していたと考えられます。鳥類が誕生したのもこの頃ではないかと言われています。
気温が高いため、卵を温め繁殖するのにも最適な気候だったと考えられます。この時代はまさに恐竜の時代だったと言えるでしょう。
アケロウサウルスは進化した恐竜?
最初の特徴のところで、“アケロウサウルスはパキリノサウルスとエイニオサウルスの特徴をあわせ持つ”と紹介しました。
ではなぜ、似ているけど微妙に異なる種が沢山いるのか、と疑問に思いませんか?
それは、恐竜の進化の話と繋がります。
前記で述べたように、白亜紀後期には大陸は分裂し、温暖な気候の中で恐竜たちは多様化していきました。その中で様々な姿に進化を繰り返したのではないかと考えられます。
このように見ると、最初のスティラコサウルスから「もうちょっと角曲げようかな?」「もう角じゃなくてコブでもいいな」と進化したのがアケロウサウルスと分かりますね。
角がどんどん丸くなって行く様子からみて、アケロウサウルスは温厚で平和的な性格だったのではないでしょうか。
ちなみに、同じケラトプス科で角を伸ばす方に進化した恐竜、それがトリケラトプスです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事をまとめると
・アケロウサウルスはケラトプス科の中でも小さめの恐竜
・特徴は、角の代わりにコブがある事と、フリルに平たく長い2本の角がある事
・名前は「アケローオスのトカゲ」という意味
・食べ物は植物であったと予想される
・生息地は白亜紀後期の北アメリカ
・アケロウサウルスはパキリノサウルスに進化する過程の恐竜だった
という内容でした。
アケロウサウルスについての疑問は解消されましたか?
まだまだ謎が多く、仮説の部分も多い恐竜たち。しかし化石から色々と予想をたてられるのも恐竜の面白いところですよね。皆さんは、どんな予想をたてますか?