引用:Wikipedia
アジアで最も大きい竜脚類と知られているマメンチサウルス。
映画『ロスト・ワールド』では、バイクに乗ったハンターがマメンチサウルスの足元をくぐり抜ける、というインパクトのあるシーンで登場しているので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
ジュラ紀を2000年も生き延びたと言われている、マメンチサウルス。
とはいえ、首が長いということ以外は、知らないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は
・マメンチサウルスとブラキオサウルスの大きさや重さ
・マメンチサウルスの特徴
・マメンチサウルスとブラキオサウルスの違いは?
について詳しく解説していきます。
マメンチサウルスの大きさや重さは?
まずマメンチサウルスの基本情報について確認していきましょう。
マメンチサウルスの基本情報は次の通りです。
名称 | マメンチサウルス |
分類 | 竜脚類 |
棲息時代 | ジュラ紀後期(約1億6,100万年前~約1億4,500万年前) |
生息地 | 中国大陸 |
全長 | 約20~35メートル |
体重 | 約18~27トン |
食性 | 草食恐竜 |
アジア最大の恐竜の一つに数えれらるマメンチサウルス。現在までに発見された化石の中には、35メートルと竜脚類最大の大きさを誇る化石も発見されています。35メートルと言えば、ビルの12階の高さと同じくらいになります。
引用:Wikipedia
全長35メートルの化石の発見により、それまで過去最大と言われた全長33メートルの『スーパーサウルス』を超え、マメンチサウルスは世界最大級の恐竜と認定されました。
また体重は27トンと言われており、オスのアフリカゾウの約5頭分にもなります。
ちなみに、マメンチサウルスの化石は中国の四川省、甘粛省、新疆ウイグル自治区で発見されていますが、最初の化石が発見されたのは馬門渓(マメンシー)です。
そして、この発見地の名称がそのまま由来となって、『マメンチサウルス』と命名されました。
マメンチサウルスの特徴
引用:Wikipedia
マメンチサウルスは他の竜脚類の恐竜と比較しても、、かなり首が長いですよね。
実際、頸椎(首の骨)は、他の竜脚類の頸椎15個以下に対し、マメンチサウルスの頸椎は19個あったことが分かっています。
全長の2分の1を超える首の長さは12~15メートルにも及び、首の長さだけでビルの4階と同じくらいの長さがあったと言われています。
引用:恐竜図鑑
では、なぜマメンチサウルスの首がこんなにも長いのかを解説していきます。
結論を言うと、極力エネルギーを消費せずに食べ物を探すためなんです。
全長が35メートルもあり、体重も27トンとなると、歩いて食べ物を探すだけでもかなりのエネルギーを消費することになります。そこで首を左右に動かして食べ物を探すように進化したと考えられています。
ただし、マメンチサウルスの頸椎の構造では頭を上下に動かすことは困難だったことが解明されています。
それに対して、マメンチサウルスが棲息していた当時の東南アジアでは、高木の森林が発達していたことがわかっています。
つまり、首を縦に動かせなかったマメンチサウルスが、本当に首を動かして食べ物を探していたのかは、まだ謎な部分もあり、今後の研究に注目が集まっています。
マメンチサウルスとブラキオサウルスとの違いは?
引用:Wikipedia
たしかに同じ竜脚類で、首が長い恐竜に、ブラキオサウルスがいます。
実際、どちらも似たようなイメージがありますが、どこが違うのか確認していきましょう。
マメンチサウルスとブラキオサウルスを比較すると、次の表の通りです。
名称 | マメンチサウルス | ブラキオサウルス |
分類 | 竜脚類 | 竜脚類 |
棲息時代 | ジュラ紀中期~後期(約1億6,100万年前~約1億4,500万年前) | ジュラ紀後期(約1億6,100万年前~1億4,600万年前) |
生息地 | 中国大陸 | 北アメリカ・アフリカ |
全長 | 約20~35メートル | 約25メートル |
体重 | 約18~27トン | 約25トン |
食性 | 植物食 | 植物食 |
実際、マメンチサウルスとブラキオサウルスはほぼ同じような性質を持っています。
どちらも大きな体に、長い首を兼ね備えているので、パッと見ると、同一種だと勘違いしてしまうのも仕方ないですね。
しかし、二匹には、決定的な違いが2つあります。
それは、
・首の頸椎の数
・生息地
です。
それぞれ、解説していきます。
首の頸椎の数
先ほど説明した通り、マメンチサウルスの頸椎の数は、19個です。
それに対して、ブラキオサウルスの頸椎の数は、他の竜脚類と同じ15個です。
つまり、マメンチサウルスの方が、首をより広く動かすことができた、と言うことになります。
また、ブラキオサウルスの首の長さは9メートルと、マメンチサウルスの15メートルと比較すると約半分ほどの長さになります。
生息地
マメンチサウルスの生息地(発見地)は、先ほど説明した通り、中国の馬門渓です。
それに対して、ブラキオサウルスの生息地(発見地)は、北アメリカ・アフリカです。
生息地が全く異なるため、同じ場所に生息していた可能性はほぼないでしょう。
とはいえ、それ以外には違いはないので、マメンチサウルスとブラキオサウルスは、似ている恐竜と考えることができます。
まとめ
今回は、世界最大級の恐竜と言われるマメンチサウルスについて解説しました。
まとめると次の通りになります。
・マメンチサウルスの全長はビルの12階と同じくらいの大きさがあり、体重がオスのアフリカゾウの約5頭分
・マメンチサウルスの頸椎の数は、19個と他の竜脚類よりも多い
・マメンチサウルスの首は、極力エネルギーを消費しないために長くなった
・マメンチサウルスとブラキオサウルスの違いは首の頸椎の数と生息地のみで、とても似ている
近年の研究から、新たな生態発見が増えているマメンチサウルス。
今後の研究からも目が離せない恐竜です。