引用:Wikipedia
クリオフォリオサウルスは、発見された化石が少なくその生態について謎の多い恐竜です。
その為「どんな恐竜なのかもっと詳しく知りたい」と思っている方も多いのでは無いでしょうか。
そこで今回は
・クリオフォリオサウルスはどんな恐竜なのか
・クリオフォリオサウルスの名前の意味
・クリオフォリオサウルスの餌や大きさ
これらについて詳しく解説していきます。
目次
クリオフォリオサウルスはどんな恐竜?
クリオフォリオサウルスがどんな恐竜なのか、まずは基本情報を見てみましょう。
生息時期 | ジュラ紀前期 |
発見地 | 南極 |
分類 | テタヌラ類 |
大きさ | 6~7メートル |
体重 | 400~600㎏ |
繁殖形態 | 卵 |
食性 | 肉食 |
2億年前のジュラ紀前期に生息し、比較的古い時期の恐竜です。
当時の肉食恐竜では最大の大きさでした。
クリオフォリオサウルスがどんな恐竜なのかを知るうえで、重要となる3点を詳しく見ていきましょう。
・発見場所
・特徴
・分類
南極で発見されたって本当?
クリオフォリオサウルスは1991年南極にあるカーク・パトリック山標高4000メートル地層から発見されました。
この事は近年、”南極で初めて新種の恐竜を発掘した”と話題となりました。
1990~1991年に頭蓋骨の一部、顎骨(下顎骨)背骨の一部(30椎骨)股関節骨(腸骨、坐骨、恥骨)脚骨(大腿骨と線維)足首骨などを発見。
2003~2004年更に骨が追加で発見され全部で体の50%を発見しました。
この南極での発掘作業は大変困難で、-35℃の山中に機材を運ぶだけでも労力とお金もかかり、2つのチームに分かれ費用を分担したそうです。
温暖化により氷が解けたことで太古の生き物を発掘することが出来ましたが、ジュラ紀前期の地形は現在とは全く異なります。
ジュラ紀前期はゴンドワナ大陸(南アメリカ・アフリカ・オーストラリア・南極が繋がっている大陸)という大きな大陸が存在していました。
この大陸は”失われた大陸”と言われ、地形変動によって分裂する前の大陸です。
ゴンドワナ大陸は広大で、広い範囲に恐竜をはじめ様々な生き物が行き来し暮らしていました。
気温も今より温暖で南極は氷の世界ではありません。
南極は太古の生物が生活する緑豊かな土地でした。
とはいえ南極大陸は北半球の下にあったこともあり、気温も10℃前後だったとされています。
夜になると氷点下まで気温は下がり過酷な環境ではあったようです。
下記は4億2000万年前の地球で南極を中心としたゴンドワナ大陸になります。
引用:Wikiped
今後更に気候変動が進み氷が解け続けることによって、新たに新種の恐竜が出てくる可能性があります。
中生代ジュラ紀の南極大陸は、南半球のゴンドワナ大陸の一部であった。当時は地球全体が暖かい上に南極大陸が現代よりも低緯度であった。そのため、中生代の南極は現代ほど寒くなかった。他の地域に比べると寒かっただろうが。
— 大川龍牙(自論を持つティラノサウルスファン) (@Jironsaurus) November 26, 2020
クリオフォリオサウルスの特徴
引用:Wikipedia
クリオフォリオサウルスの最大の特徴は、何と言ってもトサカです。
その見た目は”エルビスプレスリー”のリーゼントに似ていることから『エルビスサウルス』というニックネームまでつけられるほどです。
多くの恐竜は鼻先から後頭部にかけてトサカがあるのに対して、クリオフォリオサウルスは目の上で左右に広がる形状をしています。
このトサカの形は獣脚類には見られず、発見してすぐ新種の恐竜だという事が分かったようです。
このトサカは涙骨が変化して形成されてこのような扇状になっているのですが、何のために使われたのか・・
「ディスプレイなのでは」「仲間の見分け」「繁殖のメッセージ」などの憶測がありますがハッキリした理由はいまだ不明です。
ただ生物学上、繁殖期に入っている事などを体の一部で表現する動物は多く見られます。
その為クリオフォリオサウルスもトサカの色であったり、大きさで繁殖期に入ったことをアピールしたのでは?と考えるのが妥当とも言えるのではないでしょうか?
今後の研究でハッキリしてくるかもしれません。
https://twitter.com/Murikasama/status/1209391750554349568
クリオフォリオサウルスの分類
新種として発見されたクリオフォリオサウルスでしたが、分類を確認することが困難な恐竜でした。
理由は、原始的な特徴と先進的な特徴が混在していたため判別がつかなかったのです。
大腿骨を見ると初期の獣脚類(ディロフォサウルス)の特性を持っていましたし、頭蓋骨の特徴はテタヌラ類(アロサウルス)のにも似ていたのです。
これは初期の獣脚類と、それよりもはるか後の種であるテタヌラ類、2つの特性を持っていたからでした。
様々な論議が繰り返され、現在は「テタヌラ類」で落ち着いているようですが今後の研究によっては変わる可能性を秘めています。
クリオロフォサウルスは南極で発見されたジュラ紀の恐竜なのさ、化石が少なくてアロサウルス類かディロフォサウルス類のどちらに属するか議論されていたのさ
いまはシノサウルスと共にテタヌラ類に属するものとされてここで落ち着いているのさ
最大の特徴は涙骨が変形してできた扇状のトサカなのさ。— 国立科学博物館のアロサウルス先輩bot (@SeiyaSmartphone) January 2, 2021
クリオフォリオサウルスの名前の意味は?
クリオフォリオサウルスの名前の意味はギリシャ語で「氷の(中の)トサカを持つ爬虫類」又は「凍ったトサカのトカゲ」という意味になります。
特徴的なトサカがある事と、南極で見つかったことからこのような名前になりました。
南極で見つかった有名な恐竜といえば、クリオロフォサウルスだろう。全長約6mの肉食恐竜で、独特な鶏冠が特徴である。発見時、化石が氷に覆われていて掘り出すのに苦労したようだ。クリオロフォサウルスというのは、凍り付いた鶏冠を持つ爬虫類という意味である。 pic.twitter.com/jTIPEnIgID
— 大川龍牙(自論を持つティラノサウルスファン) (@Jironsaurus) November 26, 2020
クリオフォリオサウルスの餌や大きさは?
引用:Wikipedia
南極で体の50%が発見されたとはいえ、骨格は不完全で資料となるものが僅かです。
DNA解析も、現在生存する生物に当てはまらない”古生物”は適用できない為、まだ詳細不明な事が多いのですが、その中でも下記の
・大きさ
・餌は何を食べていたのか
を見ていきましょう。
クリオフォリオサウルスの大きさはどのくらい?
引用:Wikipedia
クリオフォリオサウルスの大きさは基本情報で全長6~7メートルと記されているのですが、これは発見された個体の大きさになります。
発見された個体は歯の状態が幼体だった為未成熟と判明、成熟した個体はもっと大きかったと推測されます。
クリオフォリオサウルスは一体何を食べたの?
クリオフォリオサウルスは肉食恐竜ですので、草食恐竜などを食べていました。
同じ発掘現場で”グラシャリサウルス”と思われる化石も発見されており、彼らのような草食恐竜を捕食していたと思われます。
クリオフォリオサウルスの前足は小さく鋭い爪を3本持ち、大きな尻尾と後ろ足は発達し脚も速かったと推測されています。
彼らは獲物を追いかけて捕食することを得意としていました。
顎の力も強力でハンターとしての能力は高く、ジュラ紀前期の大型肉食恐竜として驚異的な存在だったようです。
また考古学者によると、腐食・共食いしていたというものがあります。
これは胃の内容物から共食いの根拠を証拠として示しています。
彼らが言うに、『過酷な気温変化のある環境にいたため死んだ仲間の死骸を食べて生存していた』というのです。
共食いの行動は哺乳類や爬虫類ではよく見られていたので、クリオフォリオサウルスもしていても不思議ではありません。
主に狩りで草食恐竜を捕食し、死んだ仲間も生きる為に食べていたと推測するのが妥当かもしれません。
まとめ
今回クリオフォリオサウルスがどんな恐竜なのか、名前の意味や餌、大きさについて解説してきました。
まとめると
・クリオフォリオサウルスは南極で発見され、頭にトサカのある新種の恐竜である
・クリオフォリオサウルスの名前の意味は「凍ったトサカのトカゲ」
・クリオフォリオサウルスの餌は主にグラシャリサウルス等の草食恐竜
・クリオフォリオサウルスの大きさは6~7mだが、成体はもっと大きい
になります。
まだ発見されたのが近年で発掘が南極という事もあり、化石の発見が僅かで研究も今後分かってくることの方が多いと思います。
少しではありますが、この記事が皆様の参考になれば幸いです。