引用:ペンタケラトプス(Pentaceratops) | 恐竜図鑑
ペンタケラトプスとトリケラトプスは草食恐竜です。
どちらも大きなフリルと角があり、強そうに見えますね。実際、この二頭は肉食恐竜と闘ったのではないかと言われているんですよ。
・ペンタケラトプスはどんな恐竜?
・トリケラトプスとの違いは?
を解説していきます。ペンタケラトプスの特徴に加え、トリケラトプスとの違いも分かるようになりますよ。
目次
ペンタケラトプスはどんな恐竜?
引用:Yahoo!ショッピング
ペンタケラトプスは白亜紀後期に生存していた草食恐竜です。草食恐竜ですが、体は大きく特徴のあるフリルと角は迫力がありますね。
・ペンタケラトプスの特徴
・ペンタケラトプスの頭の特徴
・ペンタケラトプスは草食恐竜
上記の3点を見ていきましょう。ペンタケラトプスがどんな特徴を持っているのか分かりますよ。
ペンタケラトプスの特徴
引用:Amazon
特徴
名前 | ペンタケラトプス |
科名 | ケラトプス科 |
分類 | 鳥盤目、周飾頭亜目、角竜下目、角竜下目、ケラトプス科、カスモサウルス亜科 |
生息年代 | 中生代白亜紀後期(7200万年~6800万年前) |
生息場所 | 北米(カナダ・アメリカ) |
体長 | 8m |
体重 | 5.5t |
食性 | 草食 |
草食恐竜として知られていますが、ペンタケラトプスの長い角は肉食恐竜も圧倒したようです。大きく力強い四本の足が巨体を支えていました。
ペンタケラトプスは全身の骨格がそろった化石が多く見つかっているので研究も進んでいます。
角竜類の中でもアンキケラトプスやスモサウルスに類縁が違いと考えられました。さらに白亜紀末期に生存していたトロサウルスの祖先ではないかとも言われています。
ペンタケラトプスの頭の特徴
大きな頭はペンタケラトプスの特徴です。独特なフリルと長く大きな角は、肉食恐竜でもてこずったのではと言われています。
・ペンタケラトプスの頭骨は陸生最大
・ペンタケラトプスは「五本角の顔」と呼ばれている
・大きなフリルは何の役に立つ?
上記の3点を中心に解説していきます。ペンタケラトプスにとって、頭がどれだけ重要かが分かるようになりますよ。
ペンタケラトプスの頭骨は陸生最大
ペンタケラトプスは3mにもなる巨大な頭の持ち主です。
全ての恐竜の中で最も大きい頭は迫力がありますね。2本の発達した上眼窩角と短い1本の鼻骨はペンタケラトプスの特徴です。
長い頬骨突起が2本あることから、5本の角があると言われています。これほど立派な角ですが身を守るためだけに使うのではありません。
肉食恐竜と対峙した時、腹部を攻撃するなど捕食者に対してダメージを与える役割があったようです。
角竜の中でも最大といわれるフリルは、周囲が波打ち三角形の突起が多数あります。
この大きなフリルを支えるため首と肩が強く発達していました。現在の動物、バイソンに近い体型だった可能性があります。
ペンタケラトプスは「五本角の顔」と呼ばれている
学名、ペンタケラトプス(Pentaceratops)は、古代ギリシャ語で「五本角の顔」を意味します。
なぜ、「五本角の顔」を意味するようになったのでしょうか。それはペンタケラトプスが持つ特徴的な角が理由です。
https://twitter.com/nitcha_basslave/status/691630145409384448?s=20
ペンタケラトプスには大きく長い角が2本生えています。さらに鼻のあたりから1本の角が出ているのも分かるでしょう。これだけでは3本しかありませんね。
あとの2本ですが、ペンタケラトプスの頬骨突起が長いことから「五本角の顔」という学名がつけられました。
他の種と比べて長い頬骨突起はペンタケラトプスの特徴の一つです。
大きなフリルは何の役に立つ?
ペンタケラトプスの頭骨の後ろにある大きなフリルは、大型肉食恐竜から首を守るためだったと言われています。
ペンタケラトプスが栄えていた白亜紀は気候が温暖、湿潤でした。超大陸パンゲアの分裂が進んだことで、陸上の生物が多様化していきます。
さらに植物も裸子植物から被子植物の進化が主流となったので、陸上生物の繫栄が進んだ時代でもあります。
生息地域には、パラサウロロフスやノドサウルス、ティラノサウルス科のダスプレトサウルスが存在していました。
多様な生物の中で生き残るために、ペンタケラトプスも独自の発展をしてきたと言えます。
その一つが頭部の後ろにある大きなフリルです。
ティラノサウルス科のダスプレトサウルスのような肉食恐竜から、身を守る効果が期待できたようです。
ペンタケラトプスは草食恐竜
ペンタケラトプスは草食だったと言われています。なぜなら、ペンタケラトプスは周飾頭亜目に分類されているからです。周飾頭亜目のグループに属する恐竜はすべて草食性です。
ペンタケラトプスは周飾頭亜目、角竜類ですが、角竜類にはオウムのような嘴を持つ特徴があります。
嘴というと鳥類の印象がありますが、鳥類は口の中に歯はありません。
ペンタケラトプスの口の中には頑丈な歯があり、やわらかい植物だけでなく硬い植物も食べていたようです。
トリケラトプスとの違いは?
ペンタケラトプスとトリケラトプスは、体の特徴がよく似ていますが実際はどうだったのでしょうか。二頭の恐竜を比較してみましょう。
・ペンタケラトプスとトリケラトプスの比較
・トリケラトプスの角とフリル
上記2点を見ていくことで、二頭の恐竜は似ていても違いがある別の種類の恐竜だということが分かりますよ。
ペンタケラトプスとトリケラトプスの比較
特徴
名前 | ペンタケラトプス | トリケラトプス |
科名 | ペンタケラトプス科 | トリケラトプス科 |
分類 | 鳥盤類、周飾頭亜目、角竜類、ケラトプス科、カスモサウルス亜科 | 鳥盤類、周飾頭亜目、角竜類、ケラトプス科、カスモサウルス亜科 |
生息年代 | 中生代白亜紀後期(7200万年~6800万年前) | 中生代後期白亜紀 マーストリヒチアン期(7000万~6600万年前) |
生息場所 | 北米(カナダ・アメリカ) | 北米(カナダ・アメリカ) |
体長 | 8m | 9m |
体重 | 5.5t | 12t |
頭の大きさ | 3m | 2.5m |
食性 | 植物 | 植物 |
似ている動物 | バイソン | サイ |
大きさや体重にも違いがあるようです。体長はトリケラトプスの方が大きく、体重も2倍以上あります。
角竜類の中でも最大級と呼ばれるトリケラトプスですが、頭はペンタケラトプスの方が大きかったようです。
ペンタケラトプスはバイソン、トリケラトプスはサイに体格が似ていると言われています。
Pythonのハウツー動画を見ようと思ったら色々出てきてわけわからんくなってアメリカバイソンの本気を3周してしまった。
涼しい部屋で夏の甲子園をテレビで見てる時と同じような複雑な気持ちになりました。#プログラミング #プログラミング初心者 #Python pic.twitter.com/XPf95PaIA4— エトパン@パソコン教室講師_プログラミングに挑戦する (@etopan_ch) January 14, 2021
上記はバイソンの画像です。がっしりした体格なのが分かります。
巨大なフリルと角を持つペンタケラトプスが本気で闘う姿勢を見せれば、小型恐竜は逃げるしかなかったかもしれませんね。
オレの父親が、現役時代にケニアのサファリでレンジローバーに乗って野生動物を見学中、シロサイかな?に全力で追い回されて激突されそうになったって言うてたのを思い出した。 https://t.co/uZ2em5JIXU
— 堀井義博 (@yoshihirohorii) January 11, 2021
上記はサイが走る動画です。巨体で追ってこられたら、生きた心地もしないでしょう。
サイは時速50kmですがトリケラトプスは時速32kmです。
ポイント
・トリケラトプスは非鳥類型恐竜、最後の属
・トリケラトプスの方が体が大きく重い
・ペンタケラトプスの方が頭が大きい
・ペンタケラトプスはバイソンに似ているが、トリケラトプスはサイに似ている
トリケラトプスの角とフリル
長くて頑丈な角と大きなフリルは、トリケラトプスにとってどんな役割を果たしていたのでしょうか。研究者が唱える説も色々あるようです。
・トリケラトプスは「三本の角を持つ顔」
・トリケラトプスのフリルと角の役割
上記2点を解説していきます。ペンタケラトプスとの違いも分かり面白いですよ。
トリケラトプスは「三本の角を持つ顔」と呼ばれる
トリケラトプスは「三本の角を持つ顔」と呼ばれています。
はい、ペンタケラトプスは上眼窩角が2本と鼻骨に1本あるほかに、発達した頬骨突起があることから「五本角の顔」と呼ばれる恐竜です。
ですが、トリケラトプスは1mを超える眼窩角2本と短い1本の鼻骨のみです。
古代ギリシャ語のτρί- (tri-) が「三つ」、κέρας (kéras) が「角」、ὤψ (ōps) が「顔」を意味することに由来している。
ペンタケラトプスのように「五本角の顔」ではありませんが、3本の太い角は強力だったため肉食恐竜ティラノサウルスを貫いたとされる化石が発見されています。
14年間隠されていた「決闘する恐竜」化石、ついに表舞台へ: 「『決闘する恐竜』は、10年以上隠されてきた宝石です」と研究者。ティラノサウルスとトリケラトプスが組み合う貴重な化石が、ようやく表舞台に立ちます。 https://t.co/CVlZJghlil #ナショジオ
— ナショナルジオグラフィック日本版 (@NatGeoMagJP) November 19, 2020
上記の画像は「決闘する恐竜」と呼ばれていますが、同時代に生息していた二頭の恐竜が組み合ったのではないかという化石です。
この二頭の恐竜は同じ場所から発掘されました。両方ともほぼ完全な骨格で発見されましたが、どちらの恐竜も争ったあとのような傷があります。
トリケラトプスの脊椎にはティラノサウルスの歯が食い込み、ティラノサウルスは、歯が折れ、指が折れ、頭蓋骨に亀裂がある状態で見つかりました。
専門家の間では、二頭が争ってできた傷なのか、死後の負った傷なのか解明中です。
もしも二頭が争った跡なら、トリケラトプスとティラノサウルスの壮絶な争いがあったのだと考えられます。
トリケラトプスのフリルと角の役割
・防衛
・ディスプレイ
・種内競争
・創傷治癒
・体温調節
トリケラトプスのフリルは上記5点のような役割があったと言われています。
大きな角が注目されがちですが、骨質の大きなフリルもトリケラトプスの特徴の一つです。
トリケラトプスのフリルは大きく防衛のためと考えがあり、盾として適していたことを示唆する研究結果があります。
繁殖期にメスを惹きつけるためのディスプレイとしての役割があり、種内競争をする上で欠かせない体の特徴とも言われています。
他にも、
組織学的研究では、トリケラトプスのフリルは創傷治癒に重要な役割を果たす線維芽細胞を含む繊維層板骨で構成されており、再生の際に迅速に沈着させる事ができる事が明らかにされている。
などの理由があります。
また、体温調節に利用できる表面積をかせぐのに役に立っていると考える研究者もいます。
トリケラトプスのフリルには様々な説が出てきましたが、性的ディスプレイ説を支持する声が強いです。
ポイント
トリケラトプスのフリルは、防衛・ディスプレイ・種内競争・創傷治癒・体温調節、様々な説が唱えられているが、性的ディスプレイの説が強い。
まとめ
ペンタケラトプスはどんな恐竜なのか、トリケラトプスとの違いがあるのかを見てきました。
・ペンタケラトプスは「五本角の顔」と呼ばれる陸生最大の頭骨をもつ
・トリケラトプスは「三本の角を持つ顔」と呼ばれる
・ペンタケラトプスはバイソン、トリケラトプスはサイに似ている
五本角とは言いますが、頬骨突起が二本あるため厳密には三本と言えるのかもしれません。
どちらの恐竜も角とフリルに特徴があり、最大の武器として激しい生存競争を生き抜いてきました。
どちらの恐竜も草食恐竜ですが、大型肉食恐竜に負けない体格と強さを持っているので憧れを抱く方もいるかもしれませんね。