引用:Amazon
足が長いことから大地を走り回る恐竜だと推測するかもしれません。それでは昼と夜、どちらの時間帯に活動していたのでしょうか。
大きい目があることから、夜行性だったのではという意見も出ているようです。
・モノニクスはどんな恐竜か?
・モノニクスの大きさや重さ
・モノニクスの餌
・モノニクスの鳴き声
を見ていきましょう。どんな恐竜なのかが分かるようになり面白いですよ。
目次
モノ二クスはどんな恐竜か?
モノニクスの特徴は後ろ足と思うかもしれませんが、他にも特徴があるんですよ。
・モノニクスの基本データ
・モノニクスの前足と爪
・モノニクスの後ろ足
・モノニクスの化石
・モノニクスは夜行性?
上記5点をこれから見ていきましょう。どんな恐竜なのか分かって楽しくなりますよ。
モノニクスの基本データ
基本データ
名前 | モノニクス |
科名 | アルヴァレスサウルス科 |
分類 | 竜盤目、獣脚亜目、テタヌラ下目、コエルロサウルス類 |
生息年代 | 白亜紀後期(約7000万年前) |
生息地 | モンゴル |
全長 | 1m |
体重 | 3~5kg |
食性 | 昆虫・植物・小型の動物・哺乳類など雑食性の可能性がある |
繁殖体系 | 卵生 |
モノニクスの化石はゴビ砂漠で最初に見つかりました。
1923年、アメリカ自然博物館の調査員によって発見されましたが、「正体不明の鳥に似た恐竜」としか報告されませんでした。1990年代に質の良い標本を発見しました。
その後、「1本の爪」を意味するモノニクスという名前に決まりました。
モノニクスの前足と爪
モノニクスの前足はずんぐりとした腕であり、その腕には、長さ約7.5cmほどの大きな1本の爪があります。
大きく目立つ爪は親指のものですが、他にも2本の小さい爪があるため全部で3本あると言われています。
さらに、モノニクスの胸骨には竜骨突起という部位があります。
竜骨突起は鳥類で言うなら翼を動かす筋肉がある場所ですが、この筋肉が発達していたので腕力が強いと考えられています。
#子ども科学電話相談
モノニクスの前足もちっちゃいよ。でも竜骨突起があったりする。短くてゴリマッチョだった可能性あり。
神流町恐竜センター pic.twitter.com/KUSRO5mZHV— しちみ黒猫 (@sichimikuroneko) February 2, 2020
奇妙に発達した爪が何に使われていたのか、はっきりしたことは不明ですが、太くて硬い爪を使えば土を掘り昆虫を食べることができたでしょうね。
モノニクスの後ろ足
モノニクスの長くスマートな足に注目するのではないでしょうか。実際に、速く走るのに向いていたようです。
どれほどの速度を出せたかは分からないものの、2本のすらりとした足を動かして、かなり早く移動していたのではと考えられています。
乾燥した平原ではモノニクスの足が生かせたことでしょう。
モノニクスの化石
モノニクスの化石のほとんどが発掘され研究されています。
なかでも頭蓋骨の保存状態が大変良く、頭脳を収めるためのスペースである脳函が残されていました。
知能が高いと言われるトロオドンほどではなくても、モノニクスも頭が良かったのではと言われています。
それでは、発見されていないモノニクスの骨とは何でしょうか。
それは、テヌタラ下目の特徴とも言える硬い尾です。今は見つかっていませんが、発掘や研究が進むことで立派な尾が見れるようになるかもしれませんね。
モノニクスは夜行性?
私たちが住む地球上の動物には、昼間活動する動物と夜間活動する動物がいます。
夜間活動するというと、フクロウやハリネズミが思い浮かぶかもしれませんね。夜の時間に動き回る動物は、目が大きいという特徴があるようです。
そのため、大きな目があるモノニクスは夜行性ではと言われています。
ですが、眼球の大きさだけで夜行性かどうかを判断することはできません。
恐竜の眼球の構造を詳しく調べる必要があります。角膜の大きさは強膜輪を調べることで分かりますが、角膜と網膜との距離を調べるのが大変難しいのが現状です。
そのため、現時点では夜行性だと言い切ることができないようです。
モノニクスの大きさや重さ
小さい恐竜だと言われるモノニクスですが、実際はどれぐらいの大きさや重さだったのでしょうか。
・モノニクスの大きさ
・モノニクスの重さ
上記2点を解説します。モノニクスのことが、よりリアルにイメージできるようになりますよ。
モノニクスの大きさ
小型恐竜モノニクスは、体長約1mの恐竜です。
小柄だとは言われていますが、一体どれぐらいの大きさなのでしょうか。モノニクスと同じぐらいの大きさで、現生の動物は何がいるでしょうか。
名前 | モノニクス | ニホンジカ | シマハイエナ | オオアリクイ |
大きさ | 約1m | 1.2m | 1~1.2m | 1~1.3m |
モノニクスは、二ホンジカやハイエナと同じぐらいの大きさですが、人間でいえば小学1年生、6歳の子どもと同じくらいの大きさになります。
上記の資料を見ますと、6歳の平均身長が1mを超えるので、小柄な子どもだとモノニクスと同じくらいの大きさでしょう。
モノニクスの大きさが6歳の子どもサイズなら、子どもが大人と一緒にいる様子を想像することで大体のイメージが掴めるかもしれません。
小型だと言われるモノニクスですが、もっと小さい恐竜はいるのでしょうか。
名前 | モノニクス | 始祖鳥(アーケオプテリクス) | ミクロラプトル | ラプター |
体長 | 約1m | 45cm | 約50cm | スズメの小柄サイズ(通常12~14cm)が発見されている |
分類 | 獣脚亜目 | 鳥綱、獣脚亜目 | 獣脚亜目 | 獣脚亜目 |
スズメの小柄サイズだというラプターは、木の枝にとまれるサイズです。
モノニクスは木の枝にとまることはできないでしょう。モノニクスと比べると、ラプターは本当に小さいですね。
モノニクスの重さ
3~5kgぐらいではないかと言われています。はっきりした数値は分かりません。
身近な現生の動物と比べてみるとどうでしょうか。
名前 | モノニクス | レッサーパンダ | イグアナ | ネコ |
体長 | 約1m | 約0.5~0.6m | 約1.2~1.8m | 約0.75m |
体重 | 3~5kg | 約3~5kg | 約3~5kg | 約3~5kg |
身軽な体と長い足を生かして大地を走り回る姿が目に浮かびそうですね。
モノニクスの餌
モノニクスは小型の恐竜なので、大きな獲物を獲るのが難しいのは想像がつくかもしれません。どんなものを食べて生きていたのでしょうか。
・モノニクスの食べ物
・モノニクスの歯
上記2点を見ていきましょう。実際に何を食べていたのかイメージがわくようになりますよ。
モノニクスの食べ物
・昆虫
・トカゲなどの小さな生き物
・小型の哺乳類の肉
・植物
上記のように、様々なものを食べる雑食性ではないかと言われています。
モノニクスは獣脚亜目なので肉食だと思うかもしれませんが、たとえ獣脚亜目であっても植物や魚を食べる恐竜がいました。
恐竜にも様々な食性がありますが、古代の地球において雑食恐竜の数は少なくかなりマイナーだったようです。
下記に、モノニクス以外で雑食だと言われている恐竜をまとめました。
名前 | ストルティオミムス | インゲニア | コンフキウソルニス | ディアトリマ |
分類 | 獣脚亜目 | 獣脚亜目 | 鳥類 | 鳥類 |
食べ物 | 肉・植物 | 肉・植物 | 植物の種・昆虫 | 肉(小型哺乳類)・植物(硬い果実や芽) |
コンフキウソルニスとディアトリマは雑食性のようですね。鳥類に分類されていますが、現在の鳥のイメージとずいぶん違っていたようです。
ポイント
・モノニクスは雑食性だと言われている
・昆虫、トカゲなどの小さな生き物、小型の哺乳類の肉、植物を食べていたと考えられている
モノニクスの歯
モノニクスの口の中には細かく鋭利な歯があります。
歯はあるものの硬い肉を嚙み切るような力はなかったと考えられています。
硬い肉は噛み切れないものの、昆虫や植物、小さな動物を食べるためには使えそうです。
モノニクスの鳴き声
モノニクスの鳴き声は不明です。
鳴き声は分からないものの、現生の動物を見ることで鳴き声を発していたのではと推測することができます。
現生のワニはモノニクスと同じ爬虫綱に分類されています。
私たち人である哺乳類には声帯があるため音声を発し、鳥類には鳴管があるので音声を発することが可能です。
ワニもちゃんと鳴くんですよ。
https://twitter.com/bokunoyushasama/status/1281563722197041152?s=20
1993年の映画『ジュラシック・パーク』には、ティラノサウルスが出てきますが、犬・ペンギン・トラ・ワニ・ゾウの5種類の動物の鳴き声を混ぜて作ったそうです。
ワニ類は鳥類に近く、鳥類とワニ類の間には絶滅した恐竜類がいました。鳥類とワニ類の間に恐竜類であるモノニクスが存在します。
ワニや鳥が声を出していたように恐竜が鳴いていたのであれば、モノニクスにも鳴き声があったと言えるのではないでしょうか。
鳴き声は、もしかしたらワニと似ていたのかもしれませんね。
はっきりしたことは分かりませんが、これから進んでいく研究に期待しましょう。
ポイント
モノニクスの鳴き声は分からないが、恐竜に近いワニ類が鳴くためモノニクスにも鳴き声があると考えられる
まとめ
モノニクスはどんな恐竜なのか、大きさや重さ、餌、鳴き声を見てきました。
・モノニクスの前足には1本の大きな爪がある
・モノニクスは恐竜は雑食性
・モノニクスはどんな鳴き声かは不明。ただし、何らかの声は出していた
モノニクスは、発掘が行われ研究が進んでも明らかになっていない事実が数多く残されています。
その事実が今後明らかになるのが楽しみですね。