引用:恐竜図鑑
体にたくさんの長いスパイクがあるこの恐竜は、アグスティニアという竜脚類の恐竜です。
アグスティニアは発見された化石が断片的で、まだまだ研究段階ではありますが、いったいどんな恐竜とされているのでしょうか。
大きさや、餌、名前の意味なども気になりますね。
そこで、今回は
◎アグスティニアの特徴
◎アグスティニアの大きさや重さ
◎アグスティニアの餌
◎アグスティニアの名前の意味
などについて、解説していきます。
目次
アグスティニアの基本情報
学名 | アグスティニア・リガブエイ(Agustinia ligabuei) |
分類 | 恐竜・竜盤目・竜脚形亜目・竜脚下目・アグスティニア科 |
生息地 | 南米(アルゼンチン) |
時代 | 白亜紀前期(1億1600万年~1憶年前) |
繁殖形態 | 卵生 |
アグスティニアは、白亜紀前期の竜脚類の恐竜で、南アメリカに生息していました。
アグスティニアの化石は、アルゼンチンのネウケン州にあるローハンキュラ累層で発見されていますが、現在のところそれが唯一の化石標本となっています。
アグスティニアの特徴である装甲版
引用:恐竜図鑑
アグスティニアには特徴的な装甲があるといわれています。
首から尻尾までスパイクが連なっていて、背中の部分のスパイクは左右に長く伸びています。
背中にこのようなスパイクがあるのは、剣竜類の恐竜を思い起こさせます。
引用:ステゴサウルス
また、体の表面は皮骨と呼ばれる硬いプレートで覆われていました。
引用:アンキロサウルス
アグスティニアのこれらの特徴は、ディスプレイとしての役割と、他の肉食恐竜から身を守るためのものであったと考えれています。
アグスティニアの大きさや重さは?
アグスティニアは部分的な化石しか発見されておらず、全体像はまだはっきりと分かっていません。
大きさや重さに関してもそうですが、発見さてれいるの腓骨の長さが90cmというところから、他の竜脚類のものと比較して、全長10~15m程度の中型恐竜だったと推測されています。
重さは不明です。
白亜紀になると、竜脚類はより巨大化してきており、20m越えの竜脚類恐竜もたくさんいました。
その中では、アグスティニアは比較的小さめな竜脚類だったのかもしれません。
アグスティニアの餌は?
アグスティニアの食性は植物食です。
草木が豊富に育っていたこの時代、他の竜脚類同様、アグスティニアも草花を餌としていたと考えれています。
引用:恐竜図鑑
しかし、アグスティニアは顎や歯の部分などの化石が発見されていないため、具体的にどのような植物を食べていたのかというところまでは明らかになっていません。
アグスティニアの名前の意味
引用:アグスティニア
この恐竜は、1999年にアグスティニア・リガブエイと名付けられています。
属名のアグスティニアは、この化石の発見者であるアグスティン・マルチネリに敵名されたものです。
種小名であるリガブエイは、化石発掘調査の資金提供を行っていたジャンカルロ・リガブエに敬意を表する意味で命名されました。
アグスティニアの存在を疑問視する声
アグスティニアの化石標本は一個体のみで、しかも断片的にしか発見されていません。
現在知られているアグスティニアの化石は、骨盤、尾椎を含む断片的な胴椎化石と、腓骨と脛骨が1つずつ、中足骨が5つ含まれた後ろ脚の化石のみとなっています。
また、同じ場所から大腿骨も発見されていますが、回収できないほど断片化した状態です。
アグスティニアは発見された当初、独特の装甲版があると仮定されたため、アグスティニア科という独自の科に分類されました。
しかし、発見された化石がこのように断片的であり、またスパイクやプレートに見えていた部分は肋骨や骨盤の断片の可能性もあると示され、アグスティニアを疑問名とする研究者もいます。
アグスティニアは、ディプロドクス科の特徴もティタノサウル科の特徴も合わせもっており、分類が困難となっています。
引用:ディプロドクス
引用:ティタノサウルス
わずかな標本の特徴からでは、これ以上正確な類縁関係を決定することはできないとされています。
新種のバハダサウルスと似ている?
引用:バハダサウルス
バハダサウルスは2019年に南米アルゼンチンで発見された新種の竜脚類恐竜です。
首に鋭いトゲが生えた新種の草食恐竜の化石が、アルゼンチンで見つかった。研究チームは、背中にかけて2列のトゲが並んで生えていたと想像しており、肉食恐竜から身を守ったり、異性をひき付けたりするためだった可能性があるという。
アルゼンチン科学技術研究委員会などのチームが科学誌サイエンティフィック・リポーツで発表した。
研究チームのパブロ・ガリーナ氏によると、恐竜の首や頭部の化石の一部が、約1億4千万年前の白亜紀の地層から見つかった。長い首を持ち、4本脚で歩く竜脚類の仲間で、地層の名前にちなみ「バハダサウルス」と名付けた。首の化石は一つしか見つかっていないが、鋭く長い2本のトゲが突き出ていた。体長は9メートルと推定しているという。
引用:公益財団法人森林文化協会
朝日新聞のバハダサウルスの記事にすこしコメントしました。よろしければ。ネットは下から、新聞では夕刊だそうですhttps://t.co/9wxtxBxJLl
— Shoji_Hayashi (@SHOWJI0329) February 7, 2019
この恐竜は、アグスティニアには発見されていない、首や頭部の化石が発見されています。
アグスティニアと発見された地層は違いますが、それぞれの地層は同じアルゼンチンのネウケン州にあります。
また、生息していた時代は白亜紀前期と、同じ時代となっています。
ちなみに、バハダサウルスの全長は9mです。
アグスティニアとの関係性についての情報はまだありませんが、この時代のこの地域で、首や背中にトゲのある竜脚類恐竜が繁殖していたことは間違いなさそうですね。
アグスティニアとバハダサウルス、それぞれの研究が進んでいけば、疑問名となっているアグスティニアについて、また新たな発見があるかもしれませんね。
まとめ
アグスティニアについて解説してきましたが、いかがでしたか?
◎アグスティニアの特徴は、スパイクとプレートによる特殊な装甲
◎アグスティニアの全長は10~15m、体重は不明
◎アグスティニアは植物食
◎アグスティニアの名前は、化石発見者と化石発掘の資金提供者の名前から敵名された
◎アグスティニアは疑問名であるという考えがある
アグスティニアの発見されている化石が断片的であるために、まだまだ謎の部分がたくさんあります。
アグスティニアの存在が本当にあったかどうかも含めて、今後の研究で新たな情報が発見される日が待ち遠しいですね。