引用:Greelane.com
アンキサウルスはあまり名前は知られていませんが、ブラキオサウルスなどの巨大な竜脚類の祖先であったといわれており、原始的な竜脚形類の恐竜です。
実はこの恐竜の化石が最初に発見されたのは1818年で、他の恐竜の化石がたくさん発見されるようになる何十年も前のことでした。
マイナーな恐竜ではありますが、いったいどんな恐竜だったのか気になりますね。
・アンキサウルスはどんな恐竜だったのか
・アンキサウルスの大きさ
・アンキサウルスの餌
・アンキサウルスの歯の特徴
・アンキサウルスの名前の意味
今回は、これらの内容について解説していきます。
目次
アンキサウルスの基本情報
学名 | アンキサウルス・ポリぜルス(Anchisaurus polyzelu) |
分類 | 古竜脚類、竜脚亜目、古竜脚下目、爬虫綱、双弓亜綱、アンキサウルス科 |
生息地 | 北米、南アフリカ |
時代 | ジュラ紀前期(約1億9000万年前) |
繁殖形態 | 卵生 |
アンキサウルスはジュラ紀前期に生息していた古竜脚類の恐竜です。
古竜脚類とは
古竜脚類は、三畳紀から生息いていたといわれる代表的な恐竜のうちの一群です。
およそ2憶3000万年前の三畳紀後期に現れて、ジュラ紀前期の終わり頃のおよそ1億7560万年前に絶滅したといわれています。
地球上に恐竜が現れてから、しばらくの間、古竜脚類が最も個体数の多い恐竜でした。
古竜脚類には一般に3つのグループが認めらており、比較的大型のプラテオサウルス類と、小型のテコドントサウルス類、そしてアンキサウルス類となっています。
引用:プラテオサウルス
引用:テコドントサウルス
古竜脚類の特徴としては、長い首を持っており、体に対して頭の割合が小さく、4足または2足歩行、前脚の第1指には大きな鉤爪ある、などがあります。
アンキサウルスは4足歩行?2足歩行?
引用:アンキサウルス
アンキサウルスは、首と胴体は割と長めですが、頭骨は軽量化された構造で、体系もほっそりしていたため、2足歩行できていたと考えられています。
四肢は5本指で、他の古竜脚類と同様に、アンキサウルスにも前脚の第1指に大きな鉤爪がありました。
それにより、物を掴んだり、木に捕まったりすることができていたと考えられています。
しかし、後脚は短めなので、ほとんど4足歩行をしていたのではないかという説もあります。
アンキサウルスの大きさ
アンキサウルスの全長は2~2.5m、重さは30~35kg程度であったと推定されています。
引用:ウィキペディア
この人間ほどの大きさしかないアンキサウルスの子孫に、ブラキオサウルスのような大型の恐竜がいると考えたら、恐竜の進化は本当にすごいですよね。
※ブラキオサウルス(約25m)と人との比較
引用:恐竜図鑑
人の骨と間違えられた?
アンキサウルスの化石は、骨格の大きさが人間のものと大差なかったため、初期の人類の骨格であると考えられていました。
先にも述べたように、アンキサウルスの化石が最初に発見されたのは1818年で、今から約200年も前のことでした。
恐竜の化石がたくさん発見されるようになるのは、その何十年も後のことで、当時は誰もこの化石が恐竜のものとは気づかなかったのです。
その後、この化石の尾椎の存在から研究が進み、1855年にそれが爬虫類の骨だと判明しました。
※アンキサウルス骨格の復元図
引用:ウィキペディア
アンキサウルスの化石が最初に発見されたのはアメリカのコネチカット州で、火薬を使って井戸を掘っている際に、偶然発見されたものでした。
爆破によって標本は大きな損傷を受け、さらには、労働者によって骨の多くは捨てられたり、興味のある人が持ち去ったりしてしまいました。
そのため、この標本はかなり不完全な状態だったのです。
アンキサウルスは肉食?植物食?
アンキサウルスの食性は植物食です。
引用:ウィキペディア
以前は、前脚の鉤爪を使って獲物を捕獲していたという考えもあり、肉食であるという説や、雑食なのではないかという説もありました。
しかしその後の研究で、他の植物食の恐竜のように、アンキサウルスにも胃石があったことが分かり、現在は植物食というのが通説となっています。
アンキサウルスの歯はどんな形?
アンキサウルスの歯は、スプーンのような形をしています。
アンキサウルスの子孫と考えられているブラキオサウルスの歯も、同じようにスプーン型でした。
引用:古世界の住人
この歯の形は、食物を咀嚼するのに適しておらず、植物の葉などをすき取って、そのまま飲み込んでいたと考えらています。
前述したように、アンキサウルスは以前まで肉食という説もあったのですが、この歯は動物を攻撃するのに向いていませんでした。
これらのことからも、アンキサウルスは植物食であるという説が有力となっているのです。
アンキサウルスの名前の意味
アンキサウルスの名前は、ギリシャ語で「トカゲに近いもの」という意味です。
アンキサウルスは、1865年にメガダクティルスと名付けられたのですが、すでに他の生き物にこの名前が使われていたため、1882年にアンフィサウルスへ改名し、さらに1885年にアンキサウルスに変更となったのです。
まとめ
アンキサウルスについて解説してきましたが、いかがでしたか?
・アンキサウルスは古竜脚類で、ブラキオサウルスなどの祖先と考えられている
・アンキサウルスの全長は2~2.5m、重さは30~35kg程度
・アンキサウルスは植物食
・アンキサウルスの葉はスプーン型
・アンキサウルスの名前の意味は「トカゲに近いもの」
マイナーな恐竜ではありますが、地球上に恐竜が現れてから初期の頃の恐竜ということで、いろいろと興味深いものがありますよね。
アンキサウルスは発見されてから長い年月が経っていますが、研究が進むにつれて情報が変化しています。
今後も新たな発見や情報が出てくるのが楽しみですね。