引用:恐竜図鑑
とても小柄な体と、鳥のように尖ったくちばし、小さなフリルが特徴的なアーケオケラトプス。
トリケラトプスなどの祖先に近い恐竜とも言われています。
この記事では、アーケオケラトプスのことを詳しく知りたいという方のために、次のことを解説しています。
・アーケオケラトプスの特徴
・大きさはどのくらいだったか
・何を食べていたか
・どんなふうに鳴いていたか
目次
アーケオケラトプスの特徴
まず基本情報をまとめると、次の通りです。
分類 | 鳥盤目 角竜類 周飾頭亜目 角竜下目 |
学名 | Archaeoceratops oshimai |
生息年代 | 前期白亜紀(1億4000万〜1億2000万年前) |
生息地(産地) | アジア(中国甘粛省) |
繁殖形態 | 卵生 |
別名 | アルカエオケラトプス |
アーケオケラトプスは前期白亜紀にアジアで生息していた恐竜です。
トリケラトプスなども含まれる角竜に分類されます。
引用:福井県立恐竜博物館
特徴1:大きな頭とくちばし
アーケオケラトプスの大きな頭には、大きな眼孔と、角竜の特徴である鳥のように尖ったくちばしがついています。
くちばし部分にも歯が生えているのが、進化した角竜類にはない特徴です。
特徴2:フリルとツノ
アーケオケラトプスは角竜類の中でもとても原始的で、頭部に小さなフリル(えり飾り)はありますが、ツノはありません。
特徴3:移動方法と前肢
移動方法は角竜類としては珍しく、二足歩行と四足歩行の両方ができ、ほとんどが二足歩行で移動していたとされています。
大きな頭を支えながら二足歩行をするため、首の筋肉は発達していたと考えられます。
また、前肢は長めで、前肢の指は5本です。(アーケオケラトプスの前肢は未発見のため、4本であるとする資料もあります)
アーケオケラトプスの大きさは? 全長や重さについて
アーケオケラトプスは恐竜の中でも大変小さく、全長は約90cm、身近な動物で例えると、芝犬のような大きさです。
日本では兵庫県篠山市で発見された化石がアーケオケラトプスに近いとされています。
その時に見つかったものは若い個体だったようで、全長50〜60cmと推測されています。
大人なら楽々と両手で抱えられるほどの小さな恐竜ですね。
ただし、恐竜の大きさは頭の先から尻尾の先までの"全長"で計測します。
それに対し、現存する動物のほとんどが、背中から足先までの"体高"、もしくは胸からお尻までの"体長"で計測されています。
したがって、詳細な比較は難しいところですが、下記の図をご参照ください。
なお、体重については不明ですが、推定体重9kg〜20kgではないかという説もあります。
アーケオケラトプスの餌や食べ方について
アーケオケラトプスは草食恐竜ですので、食べていたものは植物ですが、詳細に何を食べていたのかは解明されていません。
食べ方は、ハサミで切るように歯と歯を上下に噛み合わせて、植物を切り刻むように食べていたと考えられています。
これは上下の歯が違う形をしていたためにできることで、上顎の歯はプロトケラトプス、下顎の歯はプシッタコサウルスに似ています。
引用:恐竜ネット
引用:恐竜図鑑
アーケオケラトプスの鳴き声について
残念ながら、アーケオケラトプスの鳴き声については現在の段階では不明です。
実はアーケオケラトプスに限らず、恐竜の鳴き声の解明につながる化石は発見されていません。
これは、声に関係のある部分は基本的に化石には残らないためです。
つまり、誰も聞いたことがない恐竜の鳴き声を知ることは大変難しいことなのです。
しかし最近では少しずつ解明されてきています。
テキサス大学の研究チームによると、以下のように推測されています。
恐竜の鳴き声の解明につながる化石は見つかっていないものの、恐竜の多くは、恐らく繁殖期は鳥のようにクークーと鳴いていたと研究チームは推測する。
引用:CNN.CO.JP
アーケオケラトプスの化石の発見と名前の由来
アーケオケラトプスは基本情報に記述の通り、アジアに生息していました。
化石の発見については、日本と中国が深く関わっています。
この章では、
・化石はどこで見つかった?
・展示されている場所はある?
・名前の由来は?
これらについて説明していきます。
化石はどこで見つかった?
アーケオケラトプスは、1992年に日本・中国が共同で行ったシルクロード恐竜発掘調査によって、中国甘粛(かんしょう)省の中生代白亜紀前期の地質から発見されました。
その後、1997年に董 枝明(中国)、東 洋一(日本)によってアーケオケラトプス と命名されました。
学名のoshimaiはこの発掘調査を支援した中日新聞社の大島宏彦(現最高顧問)にちなんで付けられています。
のちに、先にも紹介した通りアーケオケラトプスによく似た角竜が日本でも発見されています。
2009年、兵庫県篠山市の篠山層群大山下層(約1億1000年前)から上顎の前上顎骨、上顎骨、下顎の歯骨が発見されました。
日本国内ではそれ以前にも恐竜の化石は数々発見されていましたが、中でも角竜類としては国内で初めての化石発見でした。
引用:丹波篠山市
また、兵庫県立丹波並木道中央公園から交連した骨格、川代トンネル岩砕からは下顎の歯骨などが発見されています。
展示されている場所はある?
アーケオケラトプスの骨格レプリカ標本は「福井県立恐竜博物館」「兵庫県丹波竜化石工房」にて常設展示されています。
【所在地】
福井県勝山市村岡町寺尾51-11 『かつやま恐竜の森』内
【休館日】
第2・4水曜日(祝日の時はその翌日、夏休み期間は無休)
年末年始(12月29日から1月2日)
【開館時間】
午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
事前予約が必要です。
【入館料】
大人730円 高・大学生420円 小・中学生260円
【所在地】
兵庫県丹波市山南町谷川1110番地(丹波市役所山南支所横)
【休館日】
月曜日(祝祭日の場合は翌平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
※臨時休館 2021年3月1日、2日、3日
【開館時間】
午前10時~午後4時(入館は閉館の30分前まで)
(4月1日~10月31日までは午後5時まで)
【入館料】
大人(高校生以上)100円 小・中学生50円
名前の由来は?
アーケオケラトプスは、トリケラトプスなどのケラトプス類の祖先に近い恐竜であるとされることから、ギリシャ語でアーケオ(古代の)ケラトプス(ツノのある顔)と命名されました。
まとめ
この記事ではアーケオケラトプスについて、以下のことを解説いたしました。
・鳥のように尖ったくちばしには歯が生えていた
・四足歩行、二足歩行の両方ができた
・大きさは全長約90cm、重さは不明
・植物食である
・鳴き声は不明である
アーケオケラトプスは発掘が行われて研究が進んでいますが、明らかになっていない事実も多く残されています。
今後の研究によって解明されることを期待しましょう。